パ・リーグ6球団の“誤算”と“嬉しい誤算”
4月10日の試合をもって、パ・リーグ各球団の対戦が一巡。シーズン最初の顔合わせが終わった。
ここまでを振り返ってみると、2年連続で最下位に沈んだ楽天が投打に安定した戦いを見せ、現在首位と好調。一方で、リーグ3連覇を目指すソフトバンクは、開幕から調子が上がらず5勝6敗2分の5位と出遅れている。
開幕してから2週間…。ここまでで見えた各球団の“誤算”と“嬉しい誤算”に迫る。
1位 楽天
成績:8勝4敗1分 勝率.667
<誤算>
・先発と抑えの松井裕樹は安定しているものの、青山浩二が3月27日のソフトバンク戦で5失点するなど中継ぎ陣が不安定。
<うれしい誤算>
・近年故障で苦しんでいた美馬学、釜田佳直が開幕ローテーション入りを果たし、美馬が2勝、防御率0.54、釜田が1勝、防御率0.86と安定。
・ドラフト3位ルーキーの茂木栄五郎が、開幕から全試合遊撃で先発出場。打撃では4月10日の日本ハム戦で、大谷翔平から決勝打を放つなど、打率.280、0本塁打、5打点を記録。
・14年に規定打席到達も昨季は打率.168に終わった岡島豪郎が、「1番・右翼」に再定着。3月25日のソフトバンク戦で4安打の大暴れと、1番打者として好調のチームを牽引。
2位 ロッテ
成績:8勝5敗1分 勝率.615
<誤算>
・セットアッパーの大谷智久が、3月25日日本ハム戦の登板で、ベースカバーに入った際に腰をひねり負傷。腰椎椎間板症で3月26日に一軍登録抹消。
<うれしい誤算>
・5年連続で手術を受けていたという内竜也が、10年ぶりに開幕一軍。セットアッパーとして、リーグトップの5ホールドをマーク。
・昨季イースタン・リーグ打点王の細谷圭が、打率.388、19安打でリーグトップの成績。プロ11年目の苦労人がブレイクの兆し。
・昨季途中からリリーフに転向した藤岡貴裕が、開幕からロングリリーフ、勝ちゲームなど貴重な存在感を見せる。3月26日の日本ハム戦では、2点ビハインドの5回から登板し、2回を1安打4奪三振に抑え勝利投手となった。
2位 西武
成績:8勝5敗 勝率.615
<誤算>
・中島宏之(現オリックス)の退団後、遊撃のレギュラーが不在。今季はオープン戦でアピールした外崎修汰が開幕スタメンを掴むも、攻守にミスが目立ち、結局のところ固定することは出来ず。
<うれしい誤算>
・オープン戦打率1位の坂田遼が、開幕から打撃好調。4月5日の日本ハム戦で、本塁打を含む3打点の活躍を見せるなど、チーム2位の8打点をマーク。
・日程的に余裕があることから手薄なリリーフ陣に、牧田和久を組み込むことができた。
・昨季体重オーバーで打率.235、27本塁打に終わったメヒアが、開幕から打撃好調で、打率.353、1本塁打、8打点をマーク。
4位 ソフトバンク
成績:5勝6敗2分 勝率.455
<誤算>
・昨季リーグMVPの柳田悠岐は、リーグトップの20四球を選ぶも、打率.214と低迷。
・エースの摂津正が4月7日のロッテ戦で、5回途中7失点で精彩を欠くなど、3試合に登板して、0勝2敗、防御率9.42で二軍落ち。
・昨季31本塁打を放った李大浩に代わる大砲が現れず。
<うれしい誤算>
・昨季連続打率3割の記録が7年でストップした内川聖一が、ここまで打率.373と好調。
5位 日本ハム
成績:5勝8敗 勝率.385
<誤算>
・エースの大谷翔平が、4月10日の楽天戦で8回を1失点に抑えるなど好投を続けるも、勝ち星なし。
・セットアッパーの宮西尚生が故障で出遅れ、昨季シーズン終盤に勝ちパターンの一角を担った白村明弘が二軍調整。リリーフ陣の層が薄くなったこと。
・有原航平、杉谷拳士、陽岱鋼など故障者が相次いでいること。
<うれしい誤算>
・昨季は投手三冠に輝くも、打の方では打率.202、5本塁打、17打点に終わった大谷が、チーム2位の2本塁打、チーム3位の7打点をマーク。
6位 オリックス
成績:3勝9敗 勝率.250
<誤算>
・エース金子千尋が4月9日のソフトバンク戦に先発し5回途中8失点、侍ジャパンの西勇輝も3試合連続でノックアウトされるなど、先発の柱が揃って不振。
・主軸のT-岡田が、打率.167、0本塁打、1打点の成績で、4月4日に二軍落ち。
・守護神として期待されたコーディエが、開幕戦の西武戦で抑え失敗するなど、4試合に登板して、0勝1敗2セーブ、防御率13.50と精彩を欠き二軍降格。
<うれしい誤算>
・キャンプ中に右脇腹の違和感を訴えるなど、オープン戦では二軍で過ごすことの多かったドラ1ルーキーの吉田正尚が、開幕から1番打者として出場。