低打率の打点王といえば...
4月12日、甲子園球場で行われた阪神-DeNAの一戦。阪神の5番・ゴメスは1点を追う初回、二死一二塁のチャンスで左中間を突破する2点タイムリーツーベースを放ち、3試合ぶりの打点をマーク。今シーズン通算の打点を17とし、セ・リーグトップを快走している。
ところが、ゴメスの打率は.204。リーグでも下から数えたほうが早い。もちろん、まだシーズンも始まって15試合というところではあるのだが、実に効率よく打点を稼いでいるのだ。
打率が高いということは、当然安打を放つ確率が高いということであり、その分打点を挙げるチャンスというのも増える。ふつうに考えて、打率が高いほうが打点も多くなりやすいはずなのだ。
そこで気になるのが、これまでの「低打率の打点王」といえば誰で、どのくらいの打率だったのか、という点。ここでは2リーグ制となった1950年以降の打点王を振り返り、その中で特に「打率が低かった選手」を調べてみた。
これまでで最も打率の低い打点王は、1993年のラルフ・ブライアント(近鉄)。打率は.2515だった。
ブライアントといえば、近鉄“いてまえ打線”の中軸を担い、本塁打王も3回獲得した経験を持つ長距離砲。この93年には、来日後初めて打点と本塁打のタイトルを同時に獲得した。
一発が魅力の選手ではあるが、その分三振数も多く、この年は日本新記録となるシーズン204三振という不名誉な記録も同時に作っている。ちなみに、規定打席に到達したシーズンで最も打率が高かったのは、1994年に記録した.293。通算打率は.261だった。
ブライアントに次ぐ2位は、1960年の藤本勝巳(阪神)が記録した打率.2518。ブライアントとの差はわずかに3毛と、かなり僅差となっている。
続いて3位はウィルソン(日本ハム)の打率.255、4位が宮本敏雄(巨人)の打率.259。そして5位には、2007年に打率.261で打点王に輝いた山崎武司(楽天)がランクインした。
この年、山崎は5月に月間打率.342を記録したが、その他の月は全て2割台。それでも着実に打点を重ね、本塁打と打点のタイトルを同時に獲得。39歳での本塁打・打点の二冠達成は、40歳の門田博光に次ぐ年長記録となった。
打率こそ高くないものの、ハイペースで打点を重ねる阪神・ゴメス。最終的な成績は一体どうなるのか、虎の助っ人の打率と打点に注目だ。
【打点王の打率ワースト5】
1位 ブライアント(近鉄/1993年)
打率.2515 打点107
2位 藤本勝巳(阪神/1960年)
打率.2518 打点76
3位 ウィルソン(日本ハム/1998年)
打率.255 打点124
4位 宮本敏雄(巨人/1957年)
打率.259 打点78
5位 山崎武司(楽天/2007年)
打率.261 打点108