二軍でアピールする選手たち
プロ野球2016年シーズンも、もうすぐ開幕から1カ月が経とうとしている。各球団がそれぞれのスタートを切った中、ここに来て増えているのが故障による離脱者。開幕一軍メンバーからの変更・上げ下げも増えてきている。
チームにとっては“誤算”だが、ファームで奮闘している選手たちにとってはこれ以上のチャンスはない。このところは二軍で好成績を残す選手が一軍へと引き上げられるという例も多く、この流れは二軍の選手たちにとっては大きなモチベーションとなるだろう。
ここで、4月18日(月)時点でのイースタン、ウエスタンの打撃5傑をご覧頂きたい。
<イースタン>
1位 .377 中川大志(楽天) → 4月14日・一軍登録
2位 .372 白根尚貴(DeNA) → 4月13日・一軍登録
3位 .339 平沢大河(ロッテ)
4位 .338 辻 東倫(巨人)
5位 .333 北 篤 (巨人) → 4月8日・一軍登録
5位 .333 松本哲也(巨人) → 4月13日・一軍登録
<ウエスタン>
1位 .355 堂林翔太(広島) → 4月17日・一軍登録
2位 .347 陽川尚将(阪神) → 4月13日・一軍登録
3位 .333 俊介 (阪神)
4位 .329 ペレス (阪神)
5位 .323 真砂勇介(ソフトバンク)
このように、好調ぶりを発揮した選手たちが続々と一軍に昇格しているのだ。もちろん、チーム事情やタイミング、他との兼ね合いもあって全員にチャンスが巡ってくるというわけではないが、今年は早くから熾烈な昇格・降格争いが繰り広げられている。
キャンプを沸かせたあのドラ1ルーキーも...
5傑に入った6人中4人が一軍へと昇格しているイースタン・リーグ。その“二軍残留組”の中で最も好成績を収めている選手が、ロッテのドラフト1位ルーキー・平沢大河である。
開幕一軍に残れなかったものの、その後はファームで17試合に出場し、打率.339、3本塁打で10打点と猛アピール。16日(土)のイースタン・ヤクルト戦では、本塁打1本を含む3安打で3打点と好調ぶりを発揮している。
ただし、課題の守備では5つの失策を記録しており、守備率も.944。同じ高卒ルーキーの平沼翔太(日本ハム)が遊撃で8つの失策を記録しているが、それに次ぐ多さ。やはり課題となるのは守備のようだ。
ウエスタンでは、阪神の“秘密兵器”こと2年目のネルソン・ペレスが今年もアピール中。
昨年は途中加入ながらファームで48試合に出場して打率.315、リーグ4位タイの14本塁打を記録。それでも、メッセンジャーに呉昇桓、ゴメス、マートンという“鉄板”の4人で外国人枠が埋まっていたため、一軍出場はわずか3試合に留まっていた。
今年もファームで4位の打率.329をマークし、本塁打も2位タイの3本を記録。ところがやはり“枠”という問題が大きく立ちはだかり、今年も一軍昇格のチャンスがなかなか巡ってこない。
最近では開幕からスタメン出場を続けていたドラ1外野手・高山俊に肘の不安が発覚し、さらに新助っ人のヘイグが故障で登録抹消となったためペレスにとってはこれ以上ない大きなチャンスとなったが、上がったのはリリーフ要員のドリスであった。
ペレスが陽の目を浴びる日は来るのか。こちらも注目だ。
離脱者が徐々に出始め、一軍・二軍の移動も多くなってきたこの時期。毎日15時頃に発表される「公示」から目が離せない。