助っ人野手唯一の希望...
楽天に衝撃が走った。
鳴り物入りで新加入した助っ人のジョニー・ゴームズが、「家庭の事情」のため緊急帰国したことが判明。再来日は未定となっており、開幕から1カ月で補強の目玉の1人が欠けることになった。
メジャー通算162発の実績と、チームを高みへ導くメンタリティを持った存在として大きな期待がかかっていたゴームズ。しかし、ここまでは日本の野球への順応に苦しみ、18試合の出場で打率は.169。1本塁打で7打点と期待に応えることができていなかった。
楽天はもう一人、“球界最重量”として話題になったメキシカンリーグMVP&二冠王のジャフェット・アマダーという選手を新しく獲得しているが、3月の頭に左手首を負傷。いつ戻ってくるかも分からない状態となっており、チームは窮地に追い込まれている。
そんな助っ人野手陣の中、開幕から4番を張り続けている男がいる。2年目のゼラス・ウィーラーだ。
今やチームに欠かせない存在に
ウィーラーは昨年から楽天に加入。まずその見た目が『トイ・ストーリー』シリーズに出てくる「Mr.ポテトヘッド」に似ていることでひとつ話題になる。
ところが、プレーの方では出だしでつまずいた。名門・ヤンキースからやってきたメジャーリーガーということで期待を受けるも、開幕から6月までは3カ月連続で月間打率1割台と低迷。前半戦は一軍と二軍を行ったり来たりする生活が続く。
それでも、夏場に入ってようやく調子を上げると、8月の終わりごろには4番に定着。9月以降は打率.336、8本塁打で27打点という大暴れを見せた。
最終的には打率.255、14本塁打、50打点という成績でシーズンを終えたものの、終盤に発揮した“残留力”は大きな話題に。明るいキャラクターやハッスルプレーでチームを鼓舞する姿勢も評価され、見事に2年目の契約を勝ち取った。
今シーズンは開幕から全試合に4番としてスタメン出場。24試合で打率.289、2本塁打、18打点。打点は26日現在でリーグ3位につけており、得点圏打率.400はリーグトップと、勝負強さを発揮している。
「もしウィーラーを残していなかったら……」。楽天ファンならば、そう考えただけでもゾッとすることだろう。今やチームに欠かせない存在だ。
さらなる飛躍のカギは...
日本への順応を見せ、成績を残し始めたウィーラー。ここからの課題となるのが、“ホーム”での成績だ。
昨年はビジターの45試合で打率.302、10本塁打という成績を残したのに対し、ホームでは46試合で打率.207、4本塁打と一気に数字を落としている。
地方開催を除いてKoboスタ宮城に限っても、44試合で打率は.211。ここの部分の数字に関しては、まだまだ改善の余地があるだろう。
今シーズンもKoboスタ宮城では13試合に出場し、打率.245で1本塁打。ビジターでは10試合で打率.341と変わらず強さを発揮しているだけに、やはり本拠地での成績アップが飛躍のカギを握りそうだ。