ニュース 2016.04.29. 10:15

“困った時のボブ” 楽天・川井の出番は今季も訪れるか?

ロッテ時代はリリーフで活躍


 現在、プロ野球界の一大勢力となっているのは大阪桐蔭出身のOB選手たち。有名どころでは西武・中村剛也、浅村栄斗、森友哉。阪神・岩田稔、西岡剛、藤浪晋太郎。中日・平田良介、日本ハム・中田翔…。現役では計14人のプロ野球選手がいる。

 その大阪桐蔭出身の選手たちの中で最年長なのが、今年9月で40歳となる楽天のサウスポー・川井貴志だ。大阪桐蔭出身の選手と言えば、西岡や中田、森に象徴されるようにヤンチャでイケイケ系の選手のイメージが強い。しかし、川井はこれらの選手とは対極の、穏やかで人の良さを感じさせる雰囲気を醸し出している。

 川井は大阪桐蔭が初めて全国制覇を果たした翌年の1992年に入学。当時の大阪はPL学園、近大附属、上宮と強豪がひしめく時代であり、高校3年間は甲子園に出場することはできなかった。高校卒業後、川井は城西大学へ進学し次第に頭角を現していく。

 98年のドラフト会議で小林雅英、里崎智也に続く3位で指名される。プロ2年目の2000年に4勝を挙げ一軍に定着すると、02年からは左の中継ぎとして重用され51試合に登板。さらに翌03年には54試合に登板と守護神・小林雅英につなぐ役割を担う。しかし05年に登板機会が激減し、翌年のシーズン途中には新里賢との交換トレードで楽天へ移籍する。

困ったときに頼りになる存在


 楽天移籍後は貴重なサウスポーとして主に先発で登板。10年と13年に記録した3勝がシーズン最多と目立った結果は残してないが、その存在が特にクローズアップされたのは13年だった。6月27日の西武戦に川井はシーズン初先発を果たす。楽天にとってこの試合がシーズン初の左腕の先発となった一戦で、川井は6回1失点と試合を作り約1年ぶりの白星を挙げる。先発投手陣が手薄な中での活躍に、星野仙一監督は「困った時のボブ」と川井を称えた。

 翌14年もシーズン途中の5月5日の西武戦にシーズン初先発し、6回途中まで無失点で勝利投手となり自分の仕事を果たす。昨年は8月9日の日本ハム戦で6回2失点、16日の日本ハム戦に7回2失点と好投を見せたが、勝ち星につなげることはできなかった。以降2試合は序盤で打ち込まれ降板し、0勝2敗の成績に終わる。

 さて、今シーズンの川井は二軍で先発として登板し、2勝0敗と結果を残している。開幕から則本昂大を中心に先発ローテーションが機能している楽天投手陣。もしシーズン途中でそのローテーションに危機が訪れた時、その穴を埋めるべく再び「困った時のボブ」こと川井の出番が来るかもしれない。
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