エース・岸が離脱
西武の先発投手陣にショッキングな出来事が起こった。エース・岸孝之が24日の楽天戦で右足の内転筋を痛め3回途中で緊急降板。診断の結果、実戦復帰まで約1ヶ月と戦線離脱を余儀なくされた。
現在の西武にあって、岸の離脱はとても痛い。ここまで成績は2勝2敗だが、防御率はリーグトップの1.20と安定した投球を続けていた。今季は初先発となった3月29日のソフトバンク戦で7回無失点で今季初白星。続く4月5日の日本ハム戦では1安打に抑える完封勝利と幸先良いスタートを切った。19日の日本ハム戦では初回に近藤のソロ本塁打で1点を失い、2回以降は降板した6回まで無失点に抑えた。結局、この1点が決勝点となり0-1で敗れるも試合を作る役割を果たしていた。24日のアクシデントは初めてとなる中4日での登板で起きたことだった。
気になるのは岸の代わりに誰が先発ローテーションに加わるのかという点。開幕から先発が早々に崩れた時のロングリリーフを担い、本来は先発である牧田和久。昨年は先発でも登板し、今年は主にリリーフで登板している郭俊麟か…。
高橋光は30日のソフトバンク戦に先発!
そんな中、期待の若手が2人いる。一人は2年目・高橋光成。高橋といえば高卒1年目だった昨年、8月から先発に加わり4勝を挙げ史上最年少となる月間MVPを獲得。最終的には5勝2敗と結果を出している。
今年は春季キャンプから一軍に入り、さらなる成長が期待されていた。ところが、3月20日のイースタンリーグ・ヤクルト戦で審判からのボールを捕り損ね右頬を直撃。そのまま投げ続け5回無失点で勝利投手となった。しかし、頬骨骨折と診断されてしまう。その後、順調に回復していった高橋光は4月3日のDeNA戦に先発し復帰。その後も二軍で先発し続けてきた。24日には一軍の練習に合流し、30日のソフトバンク戦で今季初先発する。
佐藤勇は一軍デビュー
もう一人は4年目の左腕・佐藤勇。福島・光南高から12年ドラフト5位で入団した佐藤は1年目の13年に二軍で14試合に登板し2勝0敗の成績を残した。2年目にはイースタンリーグの開幕投手を任され、将来の先発候補として期待を受ける。オフにはオーストラリアで行われたウィンターリーグに参加。着々と成長を遂げてきた。
今年は春季キャンプで一軍入りを果たし、2月21日の韓国ロッテとの練習試合では4回無失点と好投を見せる。開幕二軍スタートとなったものの、5試合に登板して、防御率1.16の数字を残し、4月23日に一軍昇格。4月26日のロッテ戦では9回にプロ初登板。得点圏に走者を背負うが細谷圭を併殺打に仕留め、無失点でピンチを切り抜けた。本来は先発投手だけに、先発での登板も大いに期待される。
岸の離脱は確かにチームにとっては痛手となった。しかし、その代わりに新戦力が台頭してくれば、ピンチがチャンスに変わっていくかもしれない。