ニュース 2016.05.02. 07:30

西武救援陣の救世主となるか? 3戦連続無失点中のドラ5・南川忠亮

ロッテ中軸を相手に2試合続けて無失点に抑える上々のデビュー


 4月26日、西武プリンスドームで行われた西武-ロッテの8回表。1-5と4点のビハインドを背負った場面でブルペンからマウンドに上がったのは、ルーキーの南川忠亮だった。

 香川県高松工芸高から社会人・JR四国を経て2015年10月のドラフトで西武から5位指名を受けてプロ入りを果たした。 

 昨年のドラフトでは指名されるかどうか確信が持てなかったといい、「もしドラフトされていなかったら、野球の道はあきらめ車掌試験を受けるつもりでした」と話す。そのためドラフト当日もリラックスして愛娘をあやしていた時に、同僚からの連絡で指名を知らされたそうだ。

 そして、迎えた一軍デビュー戦。三塁側スタンドの熱心な西武ファンから拍手で迎えられた右腕は、細身の体から鋭い速球を投げ込み、ロッテの3番清田育宏を外角のストレートでライトフライに抑えると、この日本塁打を放っている4番デスパイネも外角のストレートで詰まらせてセカンドフライ。5番角中勝也はインコースに落とすチェンジアップでセカンドゴロとリズム良くロッテの中軸を8球で切って取り、上々の一軍デビューを果たした。

 さらに、翌29日のロッテ戦でも9回から登板すると、先頭の4番・デスパイネにライト線を破られる二塁打、5番・ナバーロに四球を与え無死一、二塁のピンチを招く。それでも、続く角中を浅いレフトフライ、代打・根元俊一をセカンドゴロに打ち取ると、最後は鈴木大地をサードゴロに仕留めて無失点で切り抜けた。

 ロッテに連敗した西武だが、南川の活躍は今後を期待させるものだった。

インコースを大胆に突ける、ハートの強さが持ち味


 ドラフト1位の多和田真三郎(中部商−富士大)、2位の川越誠司(北海高−北海学園大)など上位で入団したルーキーたちよりも先に、一軍登板一番乗りを果たしたのは、やはり現在西武が置かれている状況によるところが大きいだろう。

 セットアッパーの高橋朋己が4月22日に登録抹消。その代わりに二軍から昇格した岡本洋介も4月24日の試合で0回1/3回を失点3と炎上し、翌25日には登録抹消とブルペンは手薄なまま。

 中継ぎ陣の中で比較的好調を維持している武隈は4月終了時点で既に14試合、牧田は12試合に登板するなど中継ぎの負担が早くも大きくなっている。

 また、4月24日の楽天戦で、右足内転筋痛により降板したエース・岸孝之も離脱。先発の一角と期待されたバンヘッケンも登録抹消されるなど先発陣も駒が減り、中継ぎにその分負担がかかるのは今後も大いに予想される。

 そんな状況のなか、一軍登録された日からすぐに2日続けての連投となったところに、南川への首脳陣の期待が見て取れる。

 南川がさらなる好投を続けてくれれば、勝ち試合での中継ぎやセットアッパーという役割もすぐに回ってくるはずだ。

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