ニュース 2014.08.17. 22:43

【高校野球】継投チーム増加 1チームの平均投手起用人数は1.88人

 96回全国高校野球選手権大会は、関西(岡山)が17日の第3試合に登場し、出場49校すべてが初戦を終えた。今大会は大垣日大(岐阜)が藤代(茨城)相手に、8点ビハインドからの大逆転勝利を収めたが、この試合のポイントとなったのが継投策だった。

 2番手として5回途中からマウンドに上がった背番号「7」の滝野投手が、9回まで無失点投球を続け、その間に打線が集中打を浴びせ大逆転劇。この試合のように今大会はここまで、逆転ゲームと並び積極的な投手継投が目に付いた。

 そこで、初戦を戦った段階での1チームあたりの投手起用人数を、昨年の95回大会と比較してみると、95回大会の平均が1.73人だったのに対し、今大会は1.88人と増加。さらに、14奪三振を記録した沖縄尚学(沖縄)のエース・山城投手に代表されるように、1人の投手が完投して勝利を収めたチーム数は12。ちなみに昨夏は16チームであり、今大会は4チーム減少している。

 また、1人の投手同士が投げ合った試合(49校目vs1回戦の勝者も含む)も、昨年の7試合から3試合に減少。それこそ一昔前の主流だった“エース同士の意地の投げ合い”も、ここまでの戦いを見る限り、大きく減った。

 これは本大会に限ったことではなく、都道府県予選を1人で投げ抜いた投手を調べてみたところ、該当投手は明徳義塾(高知)の岸投手のみ。しかしこれも、31チームという参加校数と2試合のコールドゲームが影響しており、予選を1人で投げ抜いたと言っても、その数は計4試合で29イニングだった。

 一方、すでに甲子園から姿を消したが、神奈川代表の東海大相模は、140キロ超えの投手を4人揃え、激戦区の予選を勝ち抜いてきた。しかも決勝では、“予選初先発”の吉田投手を抜擢し、この2年生投手がいきなり、大会タイ記録となる20奪三振を記録。一気に、来年の注目選手として認知された。

 昨年は、同時2年生だった済美(愛媛)の安楽投手が右肘を痛め、その関連ニュースが報じられるたびに、投手起用を巡る議論が沸き起こった。そして今年に入ってからは、選手の健康管理を目的とした「タイブレーク方式」の導入検討が報じられ、同じように賛否の意見が噴出した。

 今後もトーナメントが進むにつれ、何かしらの話題が持ち上がるだろうが、それでもここまでの戦いを見る限りは、エースに頼らず長いトーナメントを戦い抜くチーム作りが、多くのチームに浸透しつつある。
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