OP戦で2試合連続弾を記録するも…
公称183センチ、93キロの屈強な体、そして鳥の巣を彷彿とさせるようなモジャモジャとしたあごひげ…。ロッテの新外国人選手ヤマイコ・ナバーロのインパクトある風貌に、ふと目が止まってしまうファンは多い。
昨年は韓国のサムスン・ライオンズで48本塁打をマーク。長打力不足に悩むロッテにとってはデスパイネに次ぐ大砲として、そして今江敏晃、ルイス・クルーズが抜けた内野陣をカバーする存在として大いに期待された。
早速、ナバーロはオープン戦でその実力を発揮した。オープン戦初出場となった2月20日の中日戦では初打席で場外弾。続く21日の日本ハムとのオープン戦でも本塁打を放ち、幸先良いスタートを切ったかに見えた。
しかしその夜、チームが宮崎へ向かうため那覇空港から飛行機で移動する際、ナバーロの荷物から銃弾が発見される。ナバーロは銃刀法違反の容疑で逮捕され、その後、開幕から4週間の出場停止処分を受けてしまった。
復帰後は攻走守で貢献
そして出場停止処分が明けたナバーロは、4月23日、本拠地・QVCマリンでのオリックス戦に「6番・セカンド」でスタメン出場を果たす。三振、四球、三振で迎えた8回の第4打席、一死二、三塁と勝ち越しのチャンスで打席に入ったナバーロは、来日初安打初打点となる2点タイムリー二塁打を放った。
ナバーロの一打で勝ち越したロッテだったが、9回表に追いつかれ同点に。それでも9回裏に暴投で4-3とサヨナラ勝ちを収めた。ナバーロはここから8試合連続安打と出場停止処分によるブランクを感じさせない活躍で、チームの勝利に貢献していく。
バットの活躍が目立つナバーロだが、守備、走塁でも存在感を発揮している。その一端を見せたのは4月26日の西武戦だった。4回表、デスパイネの2ランで2-1と勝ち越した直後、ナバーロはタイムリー二塁打を放ち追加点を奪う。
その後三塁に進むと、田村龍弘の打ったフライはボールを追うショート・金子侑司とセンター・秋山翔吾の間に上がる。これを金子が後ろ向きでキャッチ。すると、ナバーロは金子が背を向けているのを見て本塁へと突進。そのまま滑り込み生還する。積極的な走塁も魅力の一つだ。
また、守備で見せる好フィールディングも見逃せない。デビュー戦となった4月23日の試合では2回、一死一塁の場面でオリックス・小谷野栄一が放った一二塁間を抜けそうな当たりを軽やかに捕球。素早い動きで二塁へ送球し併殺を完成させた。
ロッテのセカンドと言えば昨年まで在籍していたクルーズの好守備を思い出してしまう。ナバーロの守備はクルーズのような華やかさこそないが、球際にも強く堅実な守備をここまで披露している。
5月11日のソフトバンク戦では待望の初本塁打を放ったナバーロ。その攻守に渡っての活躍が、首位ソフトバンクを追いかけるロッテの命運を握っている。