前カードの中日戦では原口がサヨナラ打
19日の中日戦で、育成選手から今季再び支配下登録選手に戻った原口文仁がサヨナラ安打を放った。金本知憲監督の下、“超変革”を掲げる今年の阪神。これまでは、ベテランに頼っていたチームだが、今季は若手選手を積極的に起用する。チャンスをもらった若虎たちも監督の期待に応え、しっかりと結果を残している。
前カード中日との3連戦では、サヨナラ打を放った原口文仁を始め、田面巧二郎、石崎剛の活躍が光った。特に原口は、4試合連続無安打と調子を落としていたが、中日3連戦では12打数5安打、2打点と大暴れ。守備でも投手陣を上手くリードし、最少失点に抑えた。5月に入ってからは15試合中、14試合でスタメンマスクを被っており、正捕手に最も近い存在となっている。
石崎は18日の試合で2点リードの6回一死一、二塁の場面で登場し、4番ビシエドを148キロのストレートで空振り三振、続くナニータを一ゴロに打ち取り、ピンチを脱した。19日も7回からの1イニングを無失点に抑えて見せた。継続して安定した投球を見せることができれば、勝ちパターンの一角に組み込まれることも十分ありそうだ。
高山と岩貞は開幕から活躍
高山俊と岩貞祐太の2人は、“超変革”の象徴の選手だ。明治大からドラフト1位で今年入団した高山は、故障の影響でキャンプ二軍スタートも、キャンプ終盤に昇格すると、得意の打撃でアピール。
3月25日の中日との開幕戦に「1番・左翼」で先発出場すると、初打席で初安打を記録。3月31日のヤクルト戦ではプロ初本塁打を含む4安打の大暴れ。その後は、打撃の好不調の波はありながらも、チームに欠かせない存在となっている。
13年ドラフト1位の岩貞祐太は、昨季までの2年間でわずかに1勝。力を発揮できずにいたが、今年は先発ローテーションの座を掴むと、ここまで7試合に登板して、3勝2敗、58奪三振、防御率1.19と抜群の安定感を誇る。
防御率と奪三振は、菅野智之(巨人)に次ぐ2位の成績。ベテランの岩田稔が開幕から不調、4年目の藤浪晋太郎がピリッとしない中で、岩貞の成長はチームにとってもかなり大きい。
結果を残せなかった若手は二軍で再調整
若手選手には、積極的に出場機会を与えている金本監督だが、結果を残せなかった選手たちに対しては、二軍で再調整させる。金本監督、掛布雅之二軍監督から高い評価を受ける横田慎太郎がその一人だ。
オープン戦では打率.393を記録し、開幕スタメンの座を射止めたが、安定した打撃を披露することができず。5月4日の中日戦を最後に二軍落ち。再昇格を目指して、二軍で奮闘する。
3、4月3番を任されることが多かった江越大賀も、現在二軍調整中だ。江越といえば、開幕直後に4試合連続本塁打を記録し、4月3日のDeNA戦から15日の中日戦にかけて8試合連続安打をマークするなど、レギュラーの座を掴んだかに思われた。
しかし、4月下旬から打撃の状態が下降。特に5月は9打数0安打4三振と、売りである打撃で存在感を発揮することができず、8日に降格した。
結果を残せば試合で使われ、ダメならば二軍。若手選手たちが今よりも高いレベルで競争できるようになれば、選手層の厚さにも繋がり、助っ人、ベテラン頼みから完全に脱却できそうだ。