三振を奪う力のある投手が多い先発陣
「233」。この数字はここまで、阪神投手陣が奪ってきた三振の数だ。今ひとつピンとこない数字かもしれないが、セ・パあわせてチーム奪三振数が200を超えているのは阪神だけ。今の阪神投手陣は、三振を奪える投手が多いということになる。
4月29日終了時点のセ・リーグ奪三振の記録をみると、開幕から3試合連続で二ケタ奪三振を記録した岩貞祐太が、46三振を奪いリーグトップ。5位に2012年奪三振王の能見篤史、6位に昨季同タイトルを獲得した藤浪晋太郎、7位に13年から2年連続で奪三振王に輝いたメッセンジャー。セ・リーグで10位以内に4人もランクインしている。
さらに投手が1試合を完投したと仮定した場合に獲得する平均の奪三振数で、「奪三振数×9÷投球回」で求めることができる奪三振率を見ると、岩貞が12.06でリーグトップ、3位に能見の8.82、4位に藤浪の7.97となっている。
その中でも、注目は今季先発ローテーションに定着した岩貞。29日のDeNA戦では、1点リードの6回先頭のロペスに三塁打を浴び、一打同点のピンチを招く。井手正太郎を中飛で一死と打ち取ると、続く倉本寿彦を低めのシュートで空振り三振。飛雄馬をストレートで空振り三振に仕留め、最大のピンチを“連続三振”で切り抜けた。得点圏に走者を背負った場面でも、三振に抑えることができるのは、岩貞の大きな武器といえそうだ。
高橋聡文の奪三振率は13.50
また、リリーフ陣も三振を奪える投手が揃っている。特にリリーフは、凡打であっても犠飛や進塁打、味方の失策などが絡んで失点を許すと、その1点が勝敗を左右することもある。
そういった1点を争う場面で登板することの多い高橋聡文は、ここまで14試合に登板して、奪った三振の数は10回2/3を投げて16個。奪三振率は驚異の13.50。10試合以上登板したリリーフの中では、リーグで最も高い数字だ。
岩貞の後を受けて登板した29日のDeNA戦では、先頭の戸柱恭孝をストレートで見逃し三振、続く今永昇太を3球三振、最後は桑原将志を外角いっぱいのストレートで三者三振に抑えて見せた。
守護神のマテオも、14回1/3を投げて15個の三振を記録する。4月28日の巨人戦では、同点で迎えた延長11回に二死一、三塁と一打勝ち越しのピンチも、代打の松本哲也を空振り三振に仕留めた。
先発、リリーフともに三振能力が高い阪神投手陣。今後も、阪神投手陣の“奪三振数”に注目だ。