カギを握る「パの投手たちの打撃」
ついに開幕した2016年の交流戦。パ・リーグ主催の1カード目が終了し、今日からはセ・リーグ主催の3連戦となる。
交流戦を見る上で、ひとつの楽しみとなるのが「パ・リーグの投手たちの打撃」だろう。普段は指名打者制度があるため打席に立たない選手たちだけに、ヘルメットを被ってバットを持って立っているだけでもどこかおもしろい。打席が回ってくるのを違った意味で“期待”して待っているファンも多いのだ。
交流戦初年度の2005年、初代王者になったロッテでは小林宏之の投打に渡る活躍が光った。
初代交流戦MVPに輝いた小林は、投げては5勝負けなしの活躍に加え、打っても10打数3安打で3打点の大暴れ。それも安打はすべて二塁打だったというから驚きだ。
5月25日の巨人戦ではスクイズを決めて自らを援護し、投げても7回途中3失点の力投で見事勝利。この日の登板直前に誕生した長男へ最高のプレゼントを贈った。
“平成の怪物”が放った衝撃の一発
バットで魅せたパの投手といえば、松坂大輔も忘れてはならない。
高校時代は名門・横浜高の4番に座った経験もある“平成の怪物”。指名打者制のあるパ・リーグの西武へと入団したため、その打棒を見る機会はないと思われていたが、2000年8月7日のオリックス戦で、なんと代打として出場する。二死満塁の場面で打席に入ると、期待に応えるセンターへの2点タイムリー。プロ初安打・初打点をマークした。
そんなこともあって交流戦ではその打撃にも期待がかかったが、初年度の2005年は10打数1安打に終わり、期待を裏切る結果に。それでも翌2006年は9打数3安打で3打点とついにその打棒を発揮。甲子園球場で行われた阪神戦では、高めのボール球を引っ叩いて左中間スタンドに叩き込む打者顔負けの一発。日本でのラストイヤーでプロ初本塁打を記録した。
今年は打撃絶好調の日本ハム・大谷翔平に注目が集まること必至だが、ほかにもバットで存在感を発揮する投手が現れるか。セ・リーグ主催試合は「パの投手たちの打撃」に注目だ。