ニュース 2016.06.06. 10:00

日米の首位チームに共通点…快進撃の裏に「愛されベテラン」の存在あり

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日米の好調チームにチームを引っ張るベテランあり!

チームを引っ張る“打”のベテラン


 日本のプロ野球とメジャーリーグ。世界でも高い水準にある2つの野球リーグで、チームを牽引する打のベテランに注目が集まっている。

 4月26日、神宮球場で行われたヤクルト-広島(3回戦)。第2打席でヤクルト先発・成瀬善久からレフト線への適時二塁打を放ち、史上47人目の2000本安打を達成したのが、広島の新井貴浩だ。

 本人も達成できるとは思っていなかったという「2000本安打」の大記録。2014年に自ら自由契約を申し入れ、阪神から古巣・広島に復帰。どん底から這い上がっての大記録達成は、人々に大きな夢と希望を与えた。

 古巣で復活した新井は、39歳を迎えた今年も元気いっぱい。“セ界最強”として恐れられる広島打線の4番に入り、チームを牽引している。


 一方のアメリカ・メジャーリーグでは、レッドソックスの“ビッグ・パピ”ことデービッド・オルティスが抜群の存在感を発揮している。

 2015年11月、翌2016年シーズンをもって現役引退を表明した40歳の大ベテランであるが、これが本当に今年で引退する選手の打撃なのかと驚かせるような打棒を披露しているのだ。

 2012年に90試合の出場に留まり、本塁打23、打点も60で終えたところから、なんと3年連続で成績をアップ。本塁打は30本→35本→37本、打点も103点→104点→108点と、まだまだ成長中。そんな中での引退発表だっただけに、多くのファンからは驚きの声が漏れた。


リーグでも屈指のその打力


 この好調な日米のベテランスラッガー2人の、今シーズンの成績を見てみよう。

・新井貴浩
[生年月日] 1977年1月30日(39歳)
[今季成績] 55試 率.298(205-61) 本3 点42
☆打率リーグ12位
☆打点リーグ6位

・オルティス
[生年月日] 1975年11月18日(40歳)
[今季成績] 50試 率.342(190-65) 本16 点53
☆打率リーグ3位
☆本塁打リーグ3位タイ
☆打点リーグトップ

 新井は一時打点でリーグトップに立つなど、勝負強い打撃を披露。現在はリーグで6番目というところまで落ちてきているものの、本塁打が3本と少ない中での大健闘は目を見張る。

 オルティスに関しては流石の一言。引退イヤーにも関わらず三冠王すら視界に捉える好調ぶりだ。一体どこまでその数字を伸ばしていくのか、今後も目が離せない。


メモリアルな2016年に優勝で華を...


 2人の共通点は、数字的な部分での貢献だけではない。2人とも様々な輝かしい功績を残したベテラン選手ながら、チームの腫れ物にはならない、いわゆる“いじられキャラ”なのだ。

 新井といえば現阪神の金本知憲や、再びチームメイトとして戦う黒田博樹をはじめとする多くの選手からかわいがられ、年齢の上下関わらずに慕われている。

 一方のオルティスも、193センチ・113キロという巨体とコワモテからは想像できないほどの温厚な性格の持ち主。ファンやチームメイトからも“ビック・パピ”の愛称で親しまれ、若手や移籍してきた選手にも気さくに声をかける“好漢”だ。

 この2人の「愛されベテラン」が、2016年の広島とボストンを赤く、熱く燃え上がらせているのは間違いない。

 節目の2000本安打を達成した新井と、今年で現役生活にピリオドを打つオルティス。それぞれにとって特別な意味を持つ年に、さらに華を添えることができるとすれば、あとはチームの優勝ということになるだろう。

 レッドソックスはア・リーグ東地区、広島はセントラル・リーグの首位。2人のベテランは好調なチームを高みに導き、自らのメモリアルイヤーを飾ることができるか。2人のベテランが奮闘する日米の2チームから目が離せない。

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