智弁学園にだけ許された挑戦
8月7日(日)に開幕する夏の甲子園。全国の数ある高校の中で唯一、奈良の智弁学園だけに挑むことが許された快挙がある。それが「春夏連覇」だ。
今春のセンバツにて、春夏通じて甲子園初優勝を果たした智弁学園。エースの村上頌樹が過酷な大会を一人で投げ抜き、決勝は劇的なサヨナラ勝ちで頂点に立った。
これからはじまる奈良の県大会も、この智弁学園が優勝候補筆頭となる。対抗はこちらも名門・天理高。春の県大会でもこの2校は激突しており、その時は6-4で智弁学園が制している。
だが、かなりの接戦。またこの2校が対戦することになれば、天理も意地を見せるはずだ。
注目の抽選会は7月1日に行われ、智弁学園の初戦は18日に決定。高田商と奈良北との勝者と対戦する。
エース・村上の調子は上々。岡沢智基主将も「初戦から全力で戦う」と力強く意気込みを語った。「春夏連覇」の偉業は、この地方大会を勝ち抜かなければ絵空事に終わる。それは誰もが分かっている。もう一度聖地に戻り、歓喜の輪を作るための戦いがはじまる。
これまで7校しかない偉業
「春夏連覇」――。1世紀近い甲子園の歴史の中でも、わずか7校しか達成していない大偉業なのだ。
【春夏連覇】
1962年 作新学園(栃木)
1966年 中京商(愛知)
1979年 箕島(和歌山)
1987年 PL学園(大阪)
1998年 横浜(神奈川)
2010年 興南(沖縄)
2012年 大阪桐蔭(大阪)
1998年の横浜といえば、あの“怪物”松坂大輔を擁し、後のプロ野球選手を多く輩出したスター軍団。松坂は夏の決勝でノーヒットノーランを達成するという伝説も残した。
直近の連覇というと、2012年の大阪桐蔭。この時、特筆すべきは春夏ともに決勝戦が同一カードであったということ。エース・藤浪晋太郎擁する大阪桐蔭を前に涙を飲んだのは、青森の光星学院だった。ちなみに、青森県勢は未だに甲子園で優勝したことがない。
4年ぶり8校目の「春夏連覇」へ――。智弁学園の挑戦がまもなくはじまる。