史上64人目のサイクル安打
中日の大島洋平が快挙を達成した。
20日の広島戦、初回の第1打席で先頭打者本塁打を放つと、第2打席で二塁打を放ち、第3打席では三塁打をマーク。サイクルヒットに王手をかけると、期待がかかった第4打席でショートの後方、左中間にポトリと落とす安打を放ち、4打席であっさりと達成した。
サイクルヒットの達成は、プロ野球史上64人目・68度目。2014年の9月2日、広島のライネル・ロサリオが巨人戦で達成して以来2年ぶりの出来事となる。
成し遂げた「史上4人目」
今回の大島の快挙は、「史上64人目の達成」だけには留まらない。
というのも、「初回先頭打者本塁打から始まるサイクルヒット」とすると一気に減って史上4人目。衣笠祥雄(広島)、真弓明信(阪神)、そしてロサリオにつづくレアケースだったのだ。
前述の3人に関しては、達成シーズンに少なくとも2ケタの本塁打を放っているが、大島に関してはこれがシーズンの3本目。自身にとっては最大の難関である本塁打を第1打席で乗り越え、勢いのままに掴んだ快挙だった
逃した「史上3人目」
一方で、今回惜しくも逃してしまった快挙もある。
いわゆる「リバースサイクル」と呼ばれるもの。本塁打からはじまり、三塁打、二塁打、単打の順番でサイクルヒットを達成することを指す。ちなみに単打から二塁打、三塁打、本塁打の順で達成することを「ナチュラルサイクル」と呼ぶ。
日本で64人が達成したサイクルヒットの歴史の中で、「リバースサイクル」を達成したのはわずかに2人だけ。2004年のアレックス・オチョア(中日)と2014年の広島・ロサリオだけなのだ。
第2打席と第3打席が逆だったら……。史上3人目・日本人としては初となる快挙はならなかった。
このように、「サイクルヒット」と言っても様々な達成方法があり、いろいろな形で記録がかかってくる。今度リーチがかかった時には、こうした「サイクルヒット」の“種類”にも注目していただきたい。