熾烈を極めたセ・野手部門の争い
球春到来を告げる「12球団キャンプイン」からちょうど半年……。プロ野球のペナントレースもいよいよ佳境を迎える。
7月戦線で目立ったのが、セの好調2チームを引っ張る主砲。DeNAの筒香嘉智と、広島・新井貴浩がとにかくよく打った。2人の月間成績は以下の通り。
▼ 筒香嘉智
打率.429(2位) 本塁打16(1位) 打点31(1位) ☆勝利打点5(1位)
安打36(1位) 四球18(2位) 死球0 三振16
出塁率.529(1位) 長打率1.095(1位) OPS1.624(1位)
▼ 新井貴浩
・17試合
打率.443(1位) 本塁打7(2位) 打点24(2位) ☆勝利打点3(3位T)
安打27(8位T) 四球8 四球0 三振11
出塁率.507(2位) 長打率.869(2位) OPS1.376(2位)
※()内はリーグ順位
記録ずくめの7月を終えた筒香
驚異的な数字を残し、月間MVP争いで一歩前に出た筒香。圧巻だったのが後半の戦いぶりである。
オールスター前までは12試合で打率.356、6本塁打という成績だったものの、オールスター後に爆発。7月18日以降の12試合は打率.513を記録し、本塁打は10本。プロ野球史上初となる月間6度の“マルチ本塁打”を達成するなど、球団新記録となる月間16本塁打をマークした。
また、月間の打点も31を数え、あの伝説の助っ人ロバート・ローズ氏が打ち立てた球団記録に並ぶ快挙。まさに手がつけられない状態とはこのこと。打線の中心でチームを支えた。
ほかにも安打数や出塁率、長打率に勝利打点もトップ。驚異的な打棒を発揮し、MVP候補最右翼として7月戦線を終えた。
ベテラン・新井も食らいついたが...
筒香の陰に隠れる形にはなったが、広島のベテラン・新井貴浩も素晴らしい活躍を見せている。
月間打率は.443を記録し、筒香を抑えてリーグトップ。本塁打7、打点24も筒香に次ぐ2位の好成績を収めており、異次元のペースで打ちまくるハマの主砲に食らいついていった。
しかし、出塁率や長打率といった数字も筒香に次ぐ2位。称賛に値する成績を残しているが、今月に関しては相手が悪かったか...。
頼りになる2人のこれから
シーズンも残すところ50試合を切った。逃げ切りを目指す広島も、大逆転を目指すDeNAも、ここからの終盤戦はより一戦一戦の重みが増してくる。
そんな時、頼りになるのがこの2人なのだ。7月は7月。良かった勢いをここからの重要な戦いに持ちこみ、一番苦しいところで発揮することができるか。この2人のバットがチームの命運を握っている。
熾烈な争いを見せた2人の、8月以降の奮闘にも注目だ。