甲子園の記録あれこれ~速球王編~
8月7日に『第98回 全国高校野球選手権大会』が開幕する。
いよいよ近づいてきた高校球児たちの夢舞台を前に、甲子園で輝かしい戦績を残した選手を振り返ってみたい。
今日は投手の「速球王」編。今夏も最速152キロを記録する高橋昂也(花咲徳栄)や藤平尚真(横浜)といった“速球派”の投手たちが甲子園に出場してくるが、これまでの甲子園で計測されたストレートの最速は何キロだったのだろうか……。
1位はプロで活躍する2投手
1位は現在ヤクルトでプレーする佐藤由規(仙台育英)と楽天に所属する安楽智大(済美)で「155キロ」だ。
第89回大会の2回戦・仙台育英-智弁学園戦で、最初の最速記録は生まれる。両チーム無得点で迎えた4回裏、由規が1ボール2ストライクから投じた外角のストレートは、「155キロ」を記録。甲子園のスコアボードに“155km/h”の文字が表示された瞬間、場内からはどよめきが起こった。
それから6年後、安楽が第95回大会の1回戦・三重戦でそれに並ぶ記録を出す。
その年の春に行われた選抜大会では、チームを準優勝に導く熱投を披露。しかし、夏は大会前に肩の炎症などで苦しんだ。それでも、ストレートの威力は超高校級。スピードと言う部分でファンに大きな衝撃を与え、大物ぶりを発揮していた。
3位に意外な名前が...
つづく3位は「154キロ」。記録したのは寺原隼人(日南学園)、菊池雄星(花巻東)、今宮健太(明豊)の3人である。
大会前からストレートのスピードに注目が集まっていた寺原。当時の高校野球新記録となる「154キロ」を計測し、その評判に応えてみせた。
また、菊池は第91回大会で辻内崇伸(大阪桐蔭)が計測した「152キロ」を上回る左投手の最速記録を樹立。今なおこの記録は破られていない。
さらに意外なのが、菊池と同じ大会で「154キロ」をマークした今宮。そう、現在ソフトバンクのショートを守っているあの今宮である。
寺原と菊池は背番号1をつけたエースだったが、今宮は当時も背番号6の内野手だった。それでも、マウンドに登れば投手としては小さ目な背丈から剛速球を披露。それも、菊池のいる花巻東戦で「154キロ」というスピードをマークしてみせた。
今大会も多くの速球自慢たちが甲子園のマウンドに立つ。今夏、佐藤と安楽が持つ155キロの記録を超える投手は出てくるだろうか。
【夏の甲子園・球速トップ3】
1位 由規(仙台育英)
第89回大会:155キロ
1位 安楽智大(済美)
第95回大会:155キロ
3位 寺原隼人(日南学園)
第83回大会:154キロ
3位 菊池雄星(花巻東)
第91回大会:154キロ
3位 今宮健太(明豊)
第91回大会:154キロ