「1厘差」の首位攻防
ソフトバンクと日ハムのファンは、リオ五輪よりもお互いの試合結果が気になって仕方ないことだろう。そしてリオ五輪も佳境を迎えつつある18日、ついに日本ハムがソフトバンクの背中をとらえた。
<8月19日現在>
日本ハムは、最大「11.5」ゲーム差をどんどん縮め、8月19日現在で「-0.5」ゲーム差。勝率では1厘差にまで迫った。貯金の数は、ソフトバンクの「25」に対して、日本ハムは「26」と、引き分けの少ない日本ハムが上に立つが、最終的な順位は勝率が優先されるため、引き分けの多いソフトバンクが1厘差で首位に立っている。
「メークドラマ」の再現!?
はじまりは6月19日に行われた中日との交流戦から。この試合の勝利を皮切りに、あれよあれよと15連勝。プロ野球史上51年ぶりとなる16連勝こそ逃したものの、球団新記録となった快進撃を境に、波に乗った。
<15連勝の軌跡>
6/19 ○ 3-2 中日
6/20 ○ 5-2 DeNA
6/25 ○ 10-8 オリックス
6/26 ○ 6-0 オリックス
6/27 ○ 8-7 西武
6/28 ○ 3-0 西武
6/29 ○ 5-3 西武
7/1 ○ 5-2 ソフトバンク
7/2 ○ 4-0 ソフトバンク
7/3 ○ 2-0 ソフトバンク
7/5 ○ 8-3 楽天
7/8 ○ 12-3 ロッテ
7/9 ○ 4-0 ロッテ
7/10 ○ 6-5 ロッテ
7/11 ○ 4-1 オリックス
1996年の「メークドラマ」の再現のようにも感じる。この年、シーズン中盤まで広島が首位を独走。巨人は最大11.5ゲーム差をつけられていたが、7月から巨人の猛反撃が始まり、なんと100試合目で首位に立ち、リーグ優勝を成し遂げた。この大逆転劇を当時の巨人・長嶋茂雄監督が「メークドラマ」と名付け、後に語り継がれることになる。
まさに今年の日本ハムが、この「メークドラマ」の再現を演じている。今季開幕から独走を続けてきたソフトバンクに、最大11.5ゲーム差をつけられた。しかし、怒涛の15連勝の勢いは止まらず、7月は17勝4敗の勝率.810という驚異的な数字を残す。さらに8月も勝率.600と堅調だ。
<3月>
ソフトバンク:2勝2敗1分 勝率.500
日本ハム :2勝3敗0分 勝率.400
<4月>
ソフトバンク:12勝6敗2分 勝率.667
日本ハム :11勝12敗0分 勝率.478
<5月>
ソフトバンク:18勝5敗1分 勝率.783
日本ハム :13勝9敗1分 勝率.591
<6月>
ソフトバンク:16勝6敗1分 勝率.727
日本ハム :15勝7敗0分 勝率.682
<7月>
ソフトバンク:11勝11敗0分 勝率.500
日本ハム :17勝4敗0分 勝率.810
<8月>
ソフトバンク:5勝9敗0分 勝率.357
日本ハム :9勝6敗0分 勝率.600
対するソフトバンクは7月を五分で終えると、8月の出足は良かったが、目下のところ4カード連続で負け越し中。その間は2勝9敗と黒星が先行し、気づけば日本ハムがピタリと背中に張り付いている。
天王山でマジック点灯へ
日ハムは残り34試合。ソフトバンクとの直接対決は8月19日からの本拠地3連戦。そして9月21日、22日のヤフオクでの2連戦と、わずか5試合を残すのみ。この3連戦を負け越すとソフトバンクにマジックが点灯するが、逆に勝ち越すと首位に浮上。日本ハムが3連勝を飾れば、3位ロッテの結果次第で21日に“マジック”が点灯する。
ここまでの対戦成績は、日本ハムの12勝7敗。各項目の数字を見ても日本ハムがソフトバンクを上回っている。チーム打率と安打数に大きな差はないが、本塁打と盗塁数の差が「25」という得失差につながっていると言えそうだ。
<日本ハムvs.ソフトバンク>
勝利: 12-7
得点: 90-65
失点: 65-90
安打: 167-162
本塁打: 27-15
四死球: 72-86
盗塁: 22-9
打率: .246-.244
防御率:2.99-4.22
夏休みの週末。ソフトバンクとの天王山3連戦のチケットはほぼ完売。今季のレギュラーシーズン最後となる本拠地でのソフトバンク戦に、多くの注目が注がれている。歴史は繰り返されるのか――。週末の試合は、日本ハム版メークドラマ最大の“見せ場”になるのかもしれない。