北條が9試合連続で遊撃で先発出場
長年阪神の遊撃手を務めてきた鳥谷敬に代わり、北條史也が9試合連続で遊撃のスタメンで出場するなど、遊撃の世代交代が進んでいる。
鳥谷といえば、04年9月11日の横浜戦から連続試合出場を続け、長年阪神の中心選手として活躍してきた。しかし、今季は開幕から極度の打撃不振。7月24日の広島戦でスタメンから外れ、12年3月30日のDeNA戦から続いていた連続フルイニング出場が667試合で途切れた。この日を境に、ベンチスタートが増えている。
そして鳥谷がベンチスタートの時に、遊撃で先発出場しているのがプロ4年目の北條だ。昨季まで一軍出場はわずか1試合のみだったが、今季は開幕一軍を掴むと、21日の巨人戦で決勝の2点タイムリーを放つなど攻守に存在感を見せる。8月は月間打率.313と活躍していることもあり、鳥谷に代わって9試合連続で遊撃でスタメン出場中。北條がこの先も活躍することがあれば、鳥谷に代わって遊撃のレギュラーを掴む可能性は十分にありそうだ。
故障や移籍で若い選手を起用するケースも…
世代交代だけでなく、過去にはチームの戦略上、遊撃のレギュラーを掴んだ選手がいる。08年の坂本勇人(巨人)がそうだ。当時プロ2年目だった坂本は、08年3月28日のヤクルト戦で「8番・二塁」でスタメン出場。開幕戦で負傷した正遊撃手の二岡智宏に代わって翌日から遊撃で出場した。二岡が戻ってきてからも、坂本は先発で出場を続け、全144試合に出場した。この年レギュラーを掴んだ坂本は、今では日本球界を代表する選手に成長している。
また、04年の西武も当てはまる。03年まで松井稼頭央が担っていたが、同年オフにFA宣言しメジャーへ移籍。松井が移籍した後、遊撃のポジションを任されたのが中島裕之だ。出始めの頃は松井の後の遊撃は荷が重すぎるとの声もあったが、全133試合に出場して、打率.287、27本塁打、90打点と外野の声を吹き飛ばす活躍を見せた。その後も、チームの中心選手としてメジャーに挑戦する12年まで9年間、西武の遊撃を守り続けた。
松井から中島の世代交代は上手くいった西武だが、中島が移籍した後は、金子侑司、永江恭平、外崎修汰などの候補者が出てきているものの、レギュラー奪取に至っていない。
内野でも高い守備技術と打撃力が求められる重要なポジション。捕手と同じように世代交代が難しいポジションであるかもしれないが、上手く若い世代が活躍することができれば、チームも長期間安定した戦いができそうだ。