平沢は一軍投手に苦しむ
10月20日にドラフト会議が開催される。日本高等学校野球連盟は6日、プロ入りを希望する選手に義務付ける『プロ野球志望届』の提出を締め切った。今夏の甲子園優勝投手、今井達也(作新学院)、高校BIG3の高橋昂也(花咲徳栄)、藤平尚真(横浜)、寺島成輝(履正社)ら105名(6日の17時現在)がプロ志望届を提出した。
ここでは、今から1年前に行われたドラフト会議でプロ入りした高卒選手たちが、何人一軍デビューを果たしたのか見ていきたい。昨年のドラフトでプロ入りした高卒は30人(支配下選手登録のみ)。そのうち、今季一軍デビューを飾ったのは、わずかに5人だった。
仙台育英からドラフト1位でロッテに入団した平沢大河は、開幕二軍スタートも5月11日に一軍昇格。高卒ルーキーに簡単にヒットを打たせてくれるほど甘くはない。「(一軍は)キレであったり、コントロール。球場の雰囲気を含めて全てが違う」(平沢)と6試合に出場したが、9打数0安打6三振という結果に終わり、同月21日に二軍落ち。
降格後は二軍でも思うような成績を残せなかったが、7月30日に2度目の昇格を掴む。再昇格後もストレートに苦しんでいたが、「タイミングの取り方をいつもより早くした」(平沢)と始動を早くしてからは、8月19日の西武戦で菊池雄星が投じた147キロのストレートをライトフェンス直撃の三塁打を放つなど7安打を記録した。出場機会を増やしていったが、体調不良で9月1日に二軍落ちしてから再昇格はなかった。
小笠原は一軍で2勝をマーク
投手では、東海大相模から中日にドラフト1位で入団した小笠原慎之介が2勝を挙げた。小笠原は5月31日のソフトバンク戦でプロ初先発すると、5回を1失点に抑えた。その後も、先発として最低限の役割を果たしたが、なかなかプロ初勝利を挙げられず。
プロ8度目の先発となった9月4日の巨人戦で、7回を6安打、自己最多の10奪三振、3失点にまとめプロ初勝利。同日に日本テレビ系で放送された「巨人-中日戦」に副音声でゲスト出演した川上憲伸氏は「新しい時代が来た。エースになるべく存在のピッチャーですよね」と昨季まで自身が付けていた“背番号11”の後輩にエールを送っている。
小笠原は9月18日のヤクルト戦でも、7回途中無失点に抑え2勝目。最終的に15試合に登板して、2勝6敗、防御率3.36の成績を残した。
その他、開幕一軍を掴むなど高卒ルーキー最多の51試合に出場したオコエ瑠偉(楽天)、プロ初打席初本塁打を放った広岡大志(ヤクルト)、10月1日のシーズン最終戦の巨人戦で登板した望月惇志(阪神)が一軍デビューを飾っている。
一軍戦に出場した高卒ルーキー
平沢大河(ロッテ)
23試 率.149 本0 点3
オコエ瑠偉(楽天)
51試 率.185 本1 点6
広岡大志(ヤクルト)
2試 率.429 本1 点3
望月惇志(阪神)
1試 0勝0敗 防0.00
小笠原慎之介(中日)
15試 2勝6敗 防3.36