ドラフト会議は20日!
いよいよ10月20日に開催されるプロ野球・ドラフト会議。選手と球団のその後を左右する“運命の一日”がいよいよ近づいてきた。
今年は高校生投手を中心に“豊作”と言われ、直前になっても各球団の1位がなかなか見えてこないという珍しい年。果たしてどんなドラマが生まれるのか、今から楽しみだ。
今回はドラフト会議をたのしむ上で知っておきたい“指名を待つ側”の気持ちを探るべく、2006年の高校生ドラフト1位でヤクルトに入団した増渕竜義氏に話を聞いた。
『ドラフト候補同士で連絡は取ったりするの?』
新聞や雑誌などのメディアで、候補者にどんな選手がいるのかは大体把握しています。もちろん同じ学校に候補者がいれば連絡を取り合うのでしょうが、基本的には他校の選手とあまり話をしたりはしません。
僕の世代はいわゆる“88世代”で、同じドラフトには田中将大(駒大苫小牧)、前田健太(PL学園)、坂本勇人(光星学院)などがいました。
僕は甲子園に出場できませんでしたが、彼らは甲子園のスターでしたからね。引退時には彼らから名刺入れのプレゼントや連絡をもらいましたが、当時は連絡先も知らないし、彼らからしたら「増渕、誰?」って感じだったでしょう(笑)
唯一の例外?
当時の埼玉県からは、僕ともう1人埼玉栄高の木村文和(※)選手がドラフト候補に挙がっていました。(※現在の登録名は文紀)
お互いにチームのエースで、ライバルでしたね。2年の秋に対戦して0-1で負け。最後の夏、大会前の抽選会では「決勝で会おう」なんて話をしました。
結果的に僕は決勝まで行きましたが、木村くんは途中で敗退しました。木村くんの学校が勝ち上がると周囲は言っていましたから、「野球に絶対はない」と感じたのもこの時期でした。
夏が終わったあと、僕と木村くんは連絡先を交換しました。「お互い指名されたらいいな。俺はセ・リーグがいい」とか「プロに行って対戦したら絶対負けない」とか話していましたね。
結果、秋のドラフトで僕はヤクルトに。木村くんは西武に指名されて入団しました。プロ入り後も木村くんとは良い関係が続いていて、チームは違いますが、球場で会ったりすると嬉しかったですね。
結論から言うと、ドラフト候補者同士でドラフト前に連絡を取り合うようなことはほとんどないかと思います。僕と木村くんのように同郷であるとか、よほど仲が良いというケースならあるでしょうが、他県の選手とコミュニケーションを取るようなことはほぼないと思います。
そもそも、その段階では本当に指名されるのかどうかでドキドキ。他の選手を気にする余裕なんてないと思いますよ(笑)
▼ 増渕竜義・プロフィール
株式会社King Effect代表取締役。1988年5月3日生まれ、28歳。
同期に田中将大(ヤンキース)や前田健太(ドジャース)がいる“88世代”。
埼玉の公立校・鷲宮高校で1年生からエースとして活躍。
3年時には最速147キロをマークしたが、甲子園出場経験はなし。
2006年の高校生ドラフトで西武とヤクルトから1位指名を受け、抽選の結果ヤクルトに入団。
2013年までの7年間で先発・中継ぎに活躍し、通算157試合に登板した。
2014年にはトレードで日本ハムへと移籍。2015年に現役を引退。