日ハム・有原は省エネ投手
来年3月に第4回ワールドベースボールクラシック(WBC)が開催される。10日から開催される強化試合では球数制限は導入されないが、来春のWBCでは故障防止のため球数制限が設けられる可能性が高い。先発投手でいえば、1イニングでも長く投げるためには、少ない球数で抑えていきたいところだ。
今季NPBで1イニングあたり球数を少なかった先発投手を見ると、有原航平(日本ハム)の15.19が規定投球回に到達した投手の中では最も少なかった。今季初登板・初勝利を飾った3月27日のロッテ戦では、8回を6安打、1四球、無失点、球数はわずか98球と省エネ投球を披露した。その他、5月31日のヤクルト戦(6回・85球)、8月5日のソフトバンク戦(7回・87球)、8月12日の楽天戦(6回・99球)などは100球未満で6回~7回まで投げている。
今回の強化試合で侍ジャパンに選ばれた石川歩(ロッテ)も、1イニングあたりの球数が15.2球と少ない。石川は打たせて取る投球に加え、四球は規定投球回に到達した投手で最も少ない22。テンポよく敵軍の打線を封じていった。特に8月12日のソフトバンク戦では、9回をわずか107球、2安打、1四死球で完封勝利を抑えた。
一方で球数が多かったのは西勇輝(オリックス)の17.6球。防御率2位に輝いた昨季は1イニング当たりの球数はリーグ3位の15.9球だったが、今季は球数が2球近く増えた。調子が上がらなかった序盤は、5回までに100球を超えるということもあった。それでも、シーズン最後の3試合は7回を投げ、110球以内にまとめていた。
1イニングあたりの球数が少なかった先発投手
規定投球回に到達した投手に限る有原航平(日本ハム)
今季の球数:2371
今季投球回:156回
1イニング当たりの球数:15.19球
石川歩(ロッテ)
今季の球数:2469
今季投球回:162回1/3
1イニング当たりの球数:15.2球
黒田博樹(広島)
今季の球数:2356
今季投球回:151回2/3
1イニング当たりの球数:15.5球
菅野智之(巨人)
今季の球数:2863
今季投球回:183回1/3
1イニング当たりの球数:15.6球
涌井秀章(ロッテ)
今季の球数:2982
今季投球回:188回2/3
1イニング当たりの球数:15.81球