球団日本人最高も見えた?
いよいよスタートした契約更改。大物は後半に控えることが多い中、12月を前にしてなんとも景気の良い話が飛び込んできた。
まだ本交渉には至っていないものの、ヤクルトが山田哲人に2億2000万円から大幅増の提示を用意。2011年に青木宣親(アストロズ)が記録した球団の日本人最高:3億3000万円を超えることが確実視されているという。
今シーズンはチームこそBクラスに低迷したものの、個人としては2年連続でトリプルスリーを達成。2年連続はもちろん、個人で2度の達成というのもプロ野球史上初。球史に残る活躍という意味ではMVPに選出されても良いくらいだ。
優勝翌年のBクラスということもあって印象はやや悪くなってしまうものの、球団はチームの顔となった男のはたらきを評価。ミスタースワローズとして、背番号「1」に大きな期待をかける。
“ハズレのハズレ”から生まれたスター
2010年のドラフト1位でヤクルトに入団した山田。「ドラフト1位」と言っても、斎藤佑樹と塩見貴洋をクジで外して迎えた“ハズレのハズレ”の1位であった。
ちなみに、“ハズレのハズレ”でもオリックスと競合になったが、ここはヤクルトが当たりをゲット。クジに全敗したオリックスは後藤駿太を指名している。
2012年に頭角を現し、その年のクライマックスシリーズにも出場を果たすと、翌2013年には94試合に出場。打率.283と一軍で結果を残した。
才能が開花したのは2014年のこと。杉村繁打撃コーチの徹底指導の下、日本人右打者のシーズン新記録となる193安打を記録。史上初の“6カ月連続先頭打者本塁打”という記録も打ち立てた。
6年で球界屈指のプレイヤーへ
打ってよし、走ってよし、守ってもよし...。今や球界屈指の選手に成長を遂げた山田。ここまでの成績をと年俸を以下にまとめてみた。(※金額は推定)
2011年 ※一軍出場なし /720万円
2012年 26試 率.250 本1 点1 盗0 /800万円
2013年 94試 率.283 本3 点26 盗9 /1000万円
2014年 143試 率.324 本29 点89 盗15 /2200万円
2015年 143試 率.329 本38 点100 盗34 /8000万円
2016年 133試 率.304 本38 点102 盗30 /2億2000万円
2年連続のトリプルスリーに加え、2014年には最多安打、2015年は史上初となる本塁打王と盗塁王の二冠を達成。リーグMVPにも輝き、2016年は盗塁王と3年続けてタイトルも獲得中。今後どこまでその数字を伸ばしていくのか、実に楽しみな選手である。
将来は何億円プレイヤーに!?
さて、ここでまた年俸の話に戻そう。
今季の年俸は推定2億2000万円。ちょうど一年前、高卒5年目のオフでの2億円突破は、あのイチローと松井秀喜以来ということで話題になった。
では、高卒選手による3億円突破となるとどうか。これは2010年の日本ハム・ダルビッシュ有(3億3000万円)と2012年の楽天・田中将大(3億2000万円)が記録した「6年目」というのが最速になる。
しかし、野手に限れば1998年のオリックス・イチロー(4億3000万円)の「7年目」が最速となり、もし山田がこのオフに3億を超えるとなると、イチローに並ぶ最速タイ記録だ。
イチローはその後4億3000万円から5億、5億3000万円と伸ばして渡米。ちなみに、昨年肩を並べた松井秀喜は7年目の2億8000万円から3億5000万円、5億、6億1000万円として海を渡った。
そして山田も、2人に負けじと年俸を積み上げてきた。日米を股にかけた2人のスーパースターに負けない勢いで活躍を続ける男は、最終的にどの領域まで達することができるのか。24歳の未来は明るい。