「今年の9人」が決定
25日に発表された今年度のベストナイン。今年は何と言っても“二刀流”大谷翔平が史上初となる投手と指名打者で2部門を制するなど、大きな話題を呼んだ。
記者投票で今年を代表する9名を決するのが「ベストナイン」。そして同じ方式で各リーグの9名を選出するのが、守備の名手を称える「ゴールデングラブ賞」である。
今回は両タイトルの受賞者を照らし合わせ、「ベストナイン」と「ゴールデングラブ賞」のW受賞を果たした選手にスポットを当てた。
“神ってる”広島から3名
今シーズン、「ベストナイン」と「ゴールデングラブ賞」の両獲りを果たしたのは7名。内訳はセが5名、パは2名となる。
セの捕手・石原慶幸はキャリア15年目でともに初受賞。チームを25年ぶりVに導いた強力投手陣から絶大な信頼を集めるベテラン捕手。まさに陰からチームを支えた功労者であった。
快進撃の広島からは丸佳浩と鈴木誠也の2人もW受賞。“神ってる”で大ブレイクの鈴木はベストナインの投票で全体最多の票を集めており、MVPへの期待も高い。
残る2名は巨人から村田修一と坂本勇人。今シーズン首位打者に輝いた坂本は、プロ10年目にして初の「ゴールデングラブ賞」を受賞。これまで鳥谷敬の牙城であったセの遊撃手部門をついに手中に収めた。
“ミスター記者投票”?
一方のパ・リーグは、中田翔が2年連続でのW受賞。外野手時代はベストナインこそ2度あったが、ゴールデングラブとは縁がなかった男。しかし、一塁手に転向してからは2年連続でゴールデングラブ賞を受賞している。
ベストナインに関しては外野手時代から4年連続の受賞。強打者、好打者が揃う一塁手部門に移ってもなお、周囲を納得させる活躍を続けている。
もう1名は外野手の糸井嘉男。これで5度目のベストナインとなり、ゴールデングラブ賞はなんと7度。“ミスター記者投票”と言っても過言ではない功績を残し、来季からはセ・リーグに戦いの場を移す。
年間を通し、走攻守すべてにおいて記者の印象に残るプレーができなければ、この両タイトルを同時に獲得することはできない。彼らこそが今年の“顔”と呼ぶべき選手だと言えるだろう。
来季以降もこの両タイトルの行方から目が離せない。
近年のW受賞達成者
<2016年>▼ セ・リーグ
石原慶幸(広島)
村田修一(巨人)
坂本勇人(巨人)
丸 佳浩(広島)
鈴木誠也(広島)
▼ パ・リーグ
中田 翔(日本ハム)
糸井嘉男(オリックス)
<2015年>
▼ セ・リーグ
前田健太(広島)
中村悠平(ヤクルト)
畠山和洋(ヤクルト)
川端慎吾(ヤクルト)
鳥谷 敬(阪神)
福留孝介(阪神)
▼ パ・リーグ
炭谷銀仁朗(西武)
中田 翔(日本ハム)
柳田悠岐(ソフトバンク)
秋山翔吾(西武)
清田育宏(ロッテ)
<2014年>
▼ セ・リーグ
阿部慎之助(巨人)
鳥谷 敬(阪神)
丸 佳浩(広島)
▼ パ・リーグ
金子千尋(オリックス)
伊藤 光(オリックス)
藤田一也(楽天)
今宮健太(ソフトバンク)
糸井嘉男(オリックス)
柳田悠岐(ソフトバンク)
<2013年>
▼ セ・リーグ
前田健太(広島)
阿部慎之助(巨人)
村田修一(巨人)
鳥谷 敬(阪神)
長野久義(巨人)
▼ パ・リーグ
田中将大(楽天)
嶋 基宏(楽天)
浅村栄斗(西武)
藤田一也(楽天)
<2012年>
▼ セ・リーグ
田中浩康(ヤクルト)
長野久義(巨人)
大島洋平(中日)
▼ パ・リーグ
中島裕之(西武)
糸井嘉男(オリックス)