コラム

試合時間短縮は日米共通の課題……アメリカ秋季リーグで試された改革案とは

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今後、捕手が立って4球投じての敬遠は見られなくなる日が来るかもしれない[Getty Images]

投手交代時のルールが変更 マウンドに残って話をした時点で1度とカウント


 8日に行われたプロ・アマ合同の日本野球規則委員会で、公認野球規則の解釈変更や一部改正が発表された。その中に、投手交代時に関するルールがMLBなどの国際基準に合わせて変更された。

 日本のプロ野球では監督、コーチが1イニング中に同一投手のもとに2度行った場合、その投手は交代しなければならないというルールがある。これまでは、交代した投手が投球練習をしたあとに監督、コーチがマウンドに残って話をしても1度とカウントされなかったが、今後はカウントされることになった。監督やコーチが投球練習を終えた投手に一言、二言かける場面をよく目にするが、今後はその時点で1度マウンドに行ったとみなされる。そのため、今後はそういった場面を見ることは少なくなることが予想される。

 日本のプロ野球でも、交代した投手にボールを渡したらすぐにベンチへ戻る監督やコーチもいるが、MLBではそのスタイルが一般的だ。国際基準に則っているのだろうが、日本のプロ野球に慣れていると驚く人も多いだろう。

 今回、規則委員会が国際基準に合わせると変更したのは、試合時間を短縮する狙いもある。近年、プロ野球全体で試合時間の短縮に取り組んでいるが、昨季の平均試合時間はセ・リーグが3時間16分、パ・リーグが3時間18分で、平均3時間17分だった(9回試合のみ)。かつてより取り組んできた試合時間短縮の動きを考えれば、大きな成果が出ているとはいえず、少しでも短縮するために投手交代時のルールを変更したのだろう。


敬遠する時は指で「4」と示すだけ 実験的に行われた試合は2時間14分で終了


 試合時間の短縮は、MLBでも課題となっている。

 日本よりも短いが、昨季のMLBはチャレンジ方式によるビデオ判定を導入したこともあり、3時間2分と史上初めて3時間を超えた。
そこで、昨秋のアリゾナ秋季リーグで以下のルールを試験的に導入した。


- 投球ごとにバッターボックスから足を出すことを禁止(片足を出すことはOK)

- 敬遠をする場合、球審に告げるだけで投球せずに打者は一塁へ。

- 投球間隔は20秒以内。走者なしの場面で、投手はボールを受け取ってから20秒以内に投球しなければボールを宣告される。

- 攻守交代は2分5秒以内。打者は1分45秒以内に打席に入らなければならず、違反すればストライクを宣告される。投手は2分5秒以内に投球を開始しなければボールを宣告される。

- タイムは延長も含め1試合で3回まで。


 以上のルールが実験的に適用された試合が2時間14分で終わったこともあり、今後MLBでも適用されていく可能性がある。

 あまりにダラダラした試合は、見ている側も間延びを感じるのはたしかだ。しかし、野球は間(ま)のスポーツともいわれる。試合時間短縮を考えるあまりにプレーが雑になってしまっては元も子もないと思うが……今後の動向が気になるところである。

文=京都純典(みやこ・すみのり)
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