コラム 2015.02.02. 18:34

改めて振り返る!楽天の「怪物左腕」松井裕樹の球歴とは

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ジョージア魂賞の年間大賞表彰式に参加した楽天・松井裕樹投手

小学生時代から大注目を集めていた逸材左腕


 2014年シーズンを最下位で終えた楽天。

 チーム防御率3.97(5位)、チーム打率.255(3位)と投打に振るわず。投手陣は則本昂大が14勝10敗と健闘したが、やはり、田中将大(現・ヤンキース)が抜けた穴は想像以上に大きかった。

 大エースの穴を埋めるべく期待が集まるのが、2013年ドラフト1位の松井裕樹だ。ルーキーイヤーの昨季は、27試合に登板して4勝8敗、防御率3.80。ローテーションになんとか食い込み、116回、126奪三振。イニング数以上の三振を奪い、「怪物左腕」の片鱗は見せつけた。

 松井は神奈川県横浜市出身、1995年10月30日生まれの19歳。小学2年生で少年野球チーム「元石川サンダーボルト」に入団し、本格的に野球を始める。6年生のときには「横浜ベイスターズジュニア」の一員に選ばれ、NPB12球団ジュニアトーナメントに出場。早くから注目を集めていた。

 横浜市立山内中学校時代は、名門硬式クラブ「青葉緑東リトルシニア」でプレー。雄平(ヤクルト)などプロ選手を輩出しているチームで、榎本葵(現・楽天)は3学年上の先輩にあたる。松井は左のエースとして3年夏の全国大会優勝。野球専門誌に「逸材中学球児」として写真入りで取り上げられ、「体はそれほど大きくないが(当時の体格は172センチ63キロ)カーブのキレが抜群で、打者を次々と打ち取る。球の速さ、リストの強さが目立ち、打者に向かっていく姿勢もいい」と評されていた。
 
県内外の野球関係者が大注目するなか、選んだ進学先は桐光学園高校(神奈川)。1年春からベンチ入りし、秋からエースに。それでもおごることなく練習に励み、2年夏の神奈川県大会優勝。5年ぶりとなる甲子園出場の原動力となった。

 「松井裕樹」の名前が全国区となったのは2年生エースとして出場した、この2012年夏の甲子園だろう。初戦、今治西高校(愛媛)に完封勝利。左腕から投げ込む剛速球と「消える」といわれたタテのスライダーで、大会新記録となる22三振を奪った。2回戦は常総学院高校(茨城)から19奪三振、3回戦は浦添商業高校(沖縄)から12奪三振。準々決勝で、田村龍弘(現・ロッテ)、北條史也(現・阪神)を擁する光星学院高校(青森)に0対3で敗れたが、15奪三振完投。4試合を一人で投げ抜き68奪三振。「来年のドラフト1位候補」に躍り出た。

 3年春、夏の甲子園出場は逃したが、18Uワールドカップに参戦する高校日本代表に選出。森友哉(大阪桐蔭高→西武)、2年生の安楽智大(愛媛・済美高→楽天)、高橋光成(群馬・前橋育英高→西武)らと共に戦い、チームを準優勝に導いた。


ほろ苦いプロ1年目から、戦力となる2年目へ!


 2013年ドラフト会議では5球団が1位指名。交渉権獲得を引き当てた楽天の立花陽三社長は壇上で右手を高々と挙げて喜び、星野仙一監督(当時)は「田中、則本に次ぐ存在になってほしい。楽しみだ」と話した。

 12球団OKを表明していた松井は「楽天はパ・リーグの優勝チームで光栄です」とコメント。入団交渉の席では、提示された背番号から迷わず「1」を希望し、「自分の原点は高校野球です。そこで長くつけていた番号でスタートしたいと思いました」と明かした。

 怪物高校生はプロで通用するのか――。注目と期待を一身に背負っての新人合同自主トレ、そして、キャンプ。大勢の取材陣やファンに囲まれながら、与えられたメニューをきっちりこなしていく姿こそ、高校生離れしていると言えた。

 しかし、4月2日のデビュー戦は6回3失点で敗戦投手。そこから「プロ初登板3連敗」という高校卒ルーキー初の不名誉な記録(2リーグ制以降)を作ってしまう。さらに、4戦目は5回8四球と乱調。「ピッチングのABCから勉強してもらう」と星野監督から二軍降格を命じられた。6月に1軍復帰し、7月2日には中継ぎでプロ初勝利。ゴールデンルーキーとしては予想外の形での初勝利も「うれしいです。すべての方に感謝です」と素直に喜んだ。その後は中継ぎとしての起用が続き、先発初勝利は8月13日のソフトバンク戦。「すごく長かったです」と心情を明かした。

 1年目は4勝にとどまったが、契約更改では1000万円増の2500万円(推定)でサイン。「最初はうまくいかなかったけど、後半は先発で回ることができて、来季(2015年)へ少し手応えをつかめました」と振り返った。

 オフの自主トレは、田中、則本、辛島航と共に行った。入れ替わりでチームを離れた田中について、「体がガッチリしていて強いです。キャッチボールでも腕の振りがいいと感じました」と語り、フォームなどを積極的に学ぶ姿が見られた。

 その田中は、同じ高校卒のドラフト1位入団で1年目に11勝。1年目の数字は及ばなかったが、これからでも十分に足跡を追いかけることはできる。「全試合、最後まで投げるつもりで、優勝、日本一に向けて力になりたいです」と決意を語る19歳。年明けには、「日本一になって飲酒解禁」というユニークな目標も掲げた。

 2015年10月30日、20歳の誕生日をどんなふうに迎えているのか。プロ2年目のシーズンに挑む怪物左腕を、キャンプから楽しみに見ていきたい。

文=平田美穂

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