コラム

東京ヤクルトスワローズ「14年ぶりのセ界制覇へ」とは?

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14年ぶりのリーグ優勝を目指すヤクルト真中監督(左)と小川シニアディレクター(右)© KYODO NEWS IMAGES
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 ヤクルトが好調だ。あ、野球だけじゃなく本業の方で。 2014年度上半期(14年4月~9月)の連結決算では、ホームランを連発。同期間のアジア・オセアニア地域の飲食料部門連結売上高は、前年同期比26%増の354億円へと二桁増加した。健康志向が高まるアジア諸国で快進撃を続ける乳酸パワー。つば九郎の年俸こそダウンしたものの、神宮球場の人工芝も異なる2種類の芝葉を織り交ぜた新製品「ハイブリッドターフExciting」へ7年ぶりに張り替え。もちろん、真中スワローズにも大型ボーナス補強が実現した。

 FAで先発陣の柱としてロッテから成瀬善久、センターライン強化で日ハムからは大引啓次を獲得。クローザー候補には203センチの長身右腕ローガン・オンドルセクの補強にも成功。ドラフトでは即戦力リリーバーのサウスポー竹下真吾(ヤマハ)をはじめとした大学・社会人・独立リーグ出身の投手を計5名指名。さらに巨人へFA移籍した相川の人的補償選手として19歳の内野手・奥村展征ぶっこみ。そのベテラン捕手・相川の代役は巨人を自由契約となった井野卓で穴埋め。ついでにヤクルト公式ダンスパフォーマンスチームPassionは球界屈指の可愛さを誇る。たまんねぇな。あ、すいません。大物選手だけでなく、なにげに不足していた若手内野手や中堅捕手も手堅くカバーした超的確な補強戦略である。

 昨シーズンはリーグトップのチーム打率279、同時にリーグ最下位のチーム防御率4.62。べらぼうに打つけど、それ以上に打たれて最下位転落。なんだけど、今キャンプでは13年ドラ1右腕の杉浦稔大、同じく2年目サウスポー児山祐斗が評価を上げ、右肩手術からの復活を目指す由規も連日ブルペン入りし、22日のオープン戦初戦日ハム戦での先発登板が有力視されている。ゴジラ松井のキャンプ訪問で盛り上がる他球団を横目に、着々と進む戦力整備。

 今のヤクルトは、山田哲人や雄平が成長し、バレンティンや畠山がドーンと構える豪快なチーム。さらに投手陣の頭数も揃いつつある。本社も業績好調で強力バックアップ。あと足りないのは一種の「したたかさ」である。90年代に4度のリーグ優勝した頃のヤクルトは、強いだけじゃなく、勝負に対して粘り強くしぶとかった。真中ヤクルトがあのしたたかさを取り戻した時、01年以来14年ぶりのリーグ優勝が現実味を帯びて来るだろう。

 覚えてる?92年のセ・リーグペナントレース。巨人・広島・阪神との大混戦を制したのは、池山隆寛や広沢克実、ジャック・ハウエルの豪快さに野村監督の勝負への執念が加わったヤクルトスワローズ。そう言えば、あの時も1978年以来「14年ぶり」の優勝だった。

文=中溝康隆(なかみぞ・やすたか)
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