MLBシーズン展望 ア・リーグ東地区編
ついに現地時間5日(日本時間6日)に迫ったメジャーリーグ開幕戦。もうすぐはじまる新シーズンの見どころや注目ポイントを、地区ごとに分けて紹介していく。
ここでは、ア・リーグ東地区を取り上げる。まずは、シーズン展望の前に昨年の順位をおさらい!
1.オリオールズ(96勝66敗)
3.ブルージェイズ(83勝79敗)
4.レイズ(77勝85敗)
5.レッドソックス(71勝91敗)
【オリオールズ】
昨季はメジャー唯一の200本塁打超えとなる211本を放つ重量打線を従えて、東地区独走を果たした。しかし得点数自体は7位と決して効率的とは言えなかった。
オフに目立った補強もなく、本塁打王を獲得したクルーズやマーカキスの流出は大きな痛手となる。昨季16勝を挙げた元中日のチェンをはじめとした先発陣の踏ん張りに期待がかかるが、レッドソックス、ブルージェイズらの積極補強もあり地区連覇は厳しいと言わざるを得ない。
【ヤンキース】
2年連続でプレーオフ進出を逃すという屈辱を味わい、今年も厳しい戦いが予想される。
打線は30歳を過ぎたベテランがほとんどで、上積みは見込めない。カギはA.ロドリゲスがどこまで力を発揮できるかだが、7月に40歳を迎え、大きな期待は懸けないほうが無難だ。
投手陣は打撃陣以上に深刻で、先発陣はケガ持ちの選手がほとんど。ベタンセスとA.ミラーという2人の好投手をそろえた救援陣が数少ない明るい材料となる。
【ブルージェイズ】
昨季ロイヤルズがプレーオフ進出を果たしたため、ブルージェイズが現時点で最もプレーオフから遠ざかっているチームとなった。
ここ数年は毎年オフに補強を繰り返し、開幕前の評判は決して低くはないが、なかなかプレーオフ進出の壁を破れない。今季もドナルドソン、R.マーティンという2人の主力選手を獲得。
投手力の底上げに成功すれば、22年ぶりのポストシーズンも十分視界に入ってくるだろう。
【レイズ】
昨季は2008年にデビルレイズからレイズに改称して以降初となる負け越しを味わった。名将マドン監督が抜け、今季は再建モードとなるのだろうか。
上位進出にはチームリーダー・ロンゴリアの復活は欠かせない。昨季は全試合に出場するも、打率.253、22本塁打に終わった。
投手陣は先発・リリーフとも頭数はそろっており、若手打者が2~3人頭角をあらわせば、地区をかき回す存在になってもおかしくない。
【レッドソックス】
2013年の世界一から一転、2年ぶりの地区最下位に転落した。
しかしオフにH.ラミレス、サンドバルを獲得するなど、地区本命に推す声も多い。若手のボガーツ、ベッツあたりが期待以上の成績を残せば、開幕から独走も十分あり得るだろう。
不安があるとすれば先発陣か。頭数こそそろえたが、絶対的エースといえる存在はおらず、夏場の時点で優勝争いに加わっていれば、トレードでエース獲得を模索するだろう。
【総評】
全6地区の中で、昨季からの順位変動が最も大きくなりそうな地区がア・リーグ東地区だ。どのチームも優勝の可能性があり、主力のケガやシーズン中の補強次第で大きく様相は変わりそうだ。
日本人選手も多く所属しており、ヤンキースの田中は爆弾を抱えながらのシーズンとなるが、うまくいけば15~18勝は可能だろう。レッドソックスの上原は開幕に間に合わない見込みだが、戻ってくれば再び大車輪の活躍に期待したい。田沢は好不調の波が少なく、計算できるリリーバーの一人に成長した。
●ア・リーグ東地区の日本人選手
田中将大(ヤンキース)
メジャー2年目/26歳 投手
昨季成績:20試 13勝5敗 防2.77
MLB通算:20試 13勝5敗 防2.77
上原浩治(レッドソックス)
メジャー7年目/40歳 投手
昨季成績:64試 6勝5敗26S 防2.52
MLB通算:294試 15勝15敗61S 防2.44
田沢純一(レッドソックス)
メジャー6年目/28歳 投手
昨季成績:71試 4勝3敗 防2.86
MLB通算:188試 12勝11敗1S 防3.27
※満年齢