出塁率ベスト10に日ハム選手4人がランクイン
日本ハムが好調だ。4月の成績はなんと8勝1敗(4月12日終了時点)。開幕直後とあって首位固めとはいわないが、2位・西武とのゲーム差は早くも2.5。じわじわと後続を引き離しにかかっている。
リーグトップのチーム防御率もさることながら、今季の日本ハムは高い得点力が目を引く。総得点64は2位ロッテの51を大きく引き離しリーグ1位だ。
メジャー帰りの田中賢介、新外国人のジェレミー・ハーミッダらが好調ではあるものの、昨季、クリーンアップの一角を務めた陽岱鋼が打率.139と不振にあえぐ状況で(12日には右太もも裏の張りを訴え登録抹消)、この高い得点力の要因はどこにあるのか。
注目したいのは出塁率だ。パ・リーグの出塁率ベスト10には日本ハムの選手が4人ランク入りしており、チーム全体の出塁率でも日本ハムは首位に立つ。
中でも異彩を放つのが西川遥輝だ。出塁率ベスト10の選手たちは、ただひとりを除いていずれも打率3割台を記録している。その例外のひとりこそ西川である。打率はなんと.188。にもかかわらず出塁率は.422でチーム1位、リーグでも6位の数字を記録している。
その秘密はリーグ1位の12四球を選んでいる選球眼にある。そもそも西川は昨季もリーグ9位の63四球を記録するなど四球を選べる選手ではあったが、今季はその選球眼にさらに磨きがかかっているようだ。
打率が伴ってくればより恐れられる先頭打者に……
まだ開幕直後ということもあり、数字を羅列することに意味はないかもしれないが、西川がここまでと同じ46打席を消化した時点での昨季の個人成績と今季の成績を比較してみたい。
【2014年】
10試合 46打席 40打数 8安打 4四球 12三振
打率.200 出塁率.273
【2015年】
10試合 46打席 32打数 6安打 12四球 9三振
打率.188 出塁率.422
昨季リーグワースト3位を記録した三振数は微減程度であり、打率も大差ないものの、四球数は3倍。出塁率を大きく引き上げており、トップバッターとして役割を果たしている。
もちろん、西川には昨季盗塁王を獲得した足もある。今季もここまで3盗塁(リーグ4位)と滑り出しは順調。打率は低くとも高確率で出塁し足でも相手バッテリーにプレッシャーをかけられるなんとも不思議な選手なのだ。
もちろん、ファンも首脳陣も本人も現状の成績に満足しているはずはない。ただ、打率さえ徐々に伴ってくれば、先頭打者としてさらに怖い存在となることだけは間違いないだろう。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)