4年目で初のシーズン200安打超えなるか…
6月に入り、ジャイアンツの核弾頭・青木宣親の打棒が止まらない。
今月出場した8試合で35打数17安打、打率は驚異の.486。今季ここまでの主な打撃成績を見ると、打率は.336(ナ・リーグ4位)、出塁率は.404(同5位)、盗塁も12個(同6位タイ)を記録。安打数は77本を数え、マーリンズのディー・ゴードンに次ぐ2位である。現在のペースで行けば、シーズン204安打となる。
昨季はロイヤルズの一員としてワールドシリーズに出場した青木であるが、個人としてはブルワーズ時代の2年間に比べてやや物足りない数字が残った。
しかし、ナ・リーグの水が合うのか、今季は4年目にして初の打率3割超えはもちろんのこと、首位打者争いにも加わろうとしている。先月下旬には古巣ブルワーズとの対戦でミルウォーキーのファンにも温かく迎えられ、3試合で14打数9安打と打ちまくった。他に今季レッズ戦で10打数5安打、パイレーツ戦で13打数5安打と、ナ・リーグ中地区チーム相手に特によく打っている。
「勝てるチーム」で勝利に貢献!
好調の要因は、持ち前の粘り強さをフルに発揮していることに尽きるだろう。
2ストライクに追い込まれた時の打率は.299。これは規定打席に到達しているナ・リーグの打者80人の中で第2位の数字である。
さらに、三振の数は80人中でもっとも少ない17個。四球は22個選んでおり、この数字自体は多くないが、三振よりも四球が多い打者は青木を含めてナ・リーグに4人しかいない。追い込まれてもとにかくバットに当てて、出塁の確率を高める打撃ができている。
また、青木がジャイアンツに移籍した理由の一つが「勝てるチーム」だったことも大きい。
チームは現在ナ・リーグ西地区首位のドジャースと1.5ゲーム差に追っており、主力に故障があったにもかかわらず過去5年間で世界一3度の実力を見せつけている。
そして、青木自身もその打棒でチームの勝利に大きく貢献している。チームが勝利した試合での打率は.387で、敗戦試合での.276を大きく上回る。さらに今季ここまで猛打賞(1試合3安打以上)をすでに6度マークしているが、すべての試合でチームは勝利を収めているのだ。
5月には不調のためスタメンを外れることもあったが、その後は調子を取り戻し、いまや不動の「1番・レフト」としてチームを牽引している青木。7月に行われるオールスターのファン投票でも、ナ・リーグの外野手部門で4位につけており、ファン投票で選出されなくても、選手間投票や監督投票などで選出される可能性はきわめて高いだろう。
渡米4年目にして覚醒しつつある天才バットマン。「オールスター出場」に「首位打者争い」、さらには「2年連続ワールドシリーズ出場」など、明るい話題を届けてくれそうな青木の活躍に今後も要注目だ。
※成績は現地時間11日(日本時間12日)現在