コラム 2015.06.29. 16:00

MLB初の女性選手が誕生する日が来る? 女子プロ野球の現状を見る

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女子野球ワールドカップで4連覇中の女子野球日本代表 [Getty Images]
Japan v USA - IBAF Women's Baseball World Cup Final

16歳のフランス人女性選手が国際登録リスト入り!


 16歳のフランス人、メリッサ・メイユーがMLBの国際登録リストに入った。

 と、ここまでは驚く話ではないのだが、このニュースが大きな話題を呼んだのは、メイユーが女性の選手だからである。フランスの18歳以下のナショナルチームでプレーしているメイユー。彼女は、国際登録リストに入ったことにより、将来的に女性初のメジャーリーガーとなる可能性があるということだ。

 メイユー本人は、「18歳になるまではフランスでプレーし、その後もできるだけ長く野球を続けたい」とMLB入りを特に目指しているわけではないが、女性がMLB入りする可能性が出てきたというだけでも興味深い。

 ただし、女性が男性に混ざってプレーすることは、単に実力面だけでなく、打球の速さなどの安全面でも問題があるのも事実だ。近年、日本でも野球をプレーする女性が増え、そういった議論も多くなってきた。

 女子の硬式野球部を創設する高校も出てきたが、注目されるのが女性によるプロ野球である。1990年代に公開された映画『プリティ・リーグ』でも題材となったが、アメリカには1943年から10年ほどの間、女性選手によるプロ野球リーグがあった。1997年にはLadies League Baseballとして復活したが、興行収入の問題などがあり1年で消滅した。


日本の女子野球はワールドカップ4連覇中


 ここ日本の女子野球はどうだろう。1950年に女性によるプロ野球リーグが設立されたが、2年でノンプロに転換。その後、10年ほど活動しているチームもあったが、1971年に日本女子野球協会もなくなった。

 それから40年ほど経った2009年に、日本女子プロ野球機構が発足。2010年には、京都アストドリームスと兵庫スイングスマイリーズによるリーグ戦が始まった。

 毎年のようにリーグ再編が行われ、今季は埼玉アストライア、京都フローラ、兵庫ディオーネの3チームによる総当たり戦と、育成型チームの東北レイアが活動している。埼玉アストライアに所属している川端友紀選手は、ヤクルトの川端慎吾内野手の妹というのはよく知られている。

 体制面などまだまだ不安定な部分もあるが、日本の女子野球の実力はかなりのものだ。女子野球日本代表は、女子野球ワールドカップで2008年の3回大会から4連覇中で、これは賞賛に値する実績だろう。

 間もなく夏の高校野球や社会人の都市対抗野球が始まり、本格的な野球の季節がやってくる--。そんな中、世界一の選手たちがプレーする日本の女子プロ野球を一度観戦してみてはいかがだろうか。

文=京都純典(みやこ・すみのり)
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