コラム

“下克上”を狙うロッテ ふがいない先発陣が迎える正念場

リリーフ陣に安定感が生まれ、あとは……


 ロッテがなかなか上位進出のきっかけをつかめない。5年に一度日本一に輝くという“ゴールデンイヤー説”を信じ、2010年の“史上最大の下克上”再現に期待するファンの願いもむなしく、チームは勝率5割の壁を行ったり来たり。逆に上位3球団にじわじわと差を広げられつつある。

 ロッテのウィークポイントが投手力だということは明快だ。チーム防御率4.21はリーグ唯一の4点台で5位オリックスの3.69と大きく水をあけられダントツの最下位(7月5日終了時点)。ちなみに、ロッテのチーム防御率は2013年から2シーズン連続でリーグ最下位に沈んでいる。このままでは不名誉な連続記録を更新することとなる。

 ただ、このところ、その投手陣に変化が生まれつつある。リリーフ陣に安定感が出てきたのだ。主なリリーフ投手の直近6試合の成績を挙げてみよう。

大谷智久 投球回7 自責1 防1.29
藤岡貴裕 投球回6 自責0 防0.00
イ・デウン 投球回6回2/3 自責0 防0.00
西野勇士 投球回7 自責0 防0.00

今こそ気持ちのこもった熱い投球を!


 この直近の数字を見る限り、中継ぎ以降の投手陣の調子は上向きと見ることができる。チーム打率.265を誇る打線は、上位3球団に大きく引けを取ることはない。となれば、肝となるのが先発陣だが、こちらは防御率4.49となんともふがいない。

 6月以降に勝利を挙げた先発陣を見てみると、石川歩は完封を含む3勝と気を吐く。チェン・グァンユウもプロ初勝利を含む2勝と奮闘。他に涌井秀章と唐川侑己がそれぞれ1勝を挙げている。ただ、両者とも早いイニングでの失点が目立ち、決して褒められた内容ではない。

 特に唐川は昨季まで2シーズン連続で防御率4点台に終わり、復活を期して今季に臨んだはずだ。それがここまで打線の援護で3勝を挙げながらも防御率は6.57と背信投球を続けている。入団以来「次世代のエース」と期待されてきたが、さすがに首脳陣やファンもこれ以上待ってくれないだろう。

 チームは前半戦の重要な局面を迎えようとしている。7月5日までの西武3連戦で2敗1分と負け越し、今週は日本ハム、ソフトバンクと上位球団との対決が続く。ロッテが本気で“下克上”を狙うのならば、絶対に勝ち越さなければならない前半戦の正念場である。

 また、それは唐川ら先発陣にとっては自身の正念場でもあるはずだ。それこそ「先発と中継ぎを入れ替えてくれ」などという、少々乱暴なファンの声も聞こえてくる。7月3日の西武戦後、伊東勤監督は「気持ちが入っていない」と先発・唐川をばっさり切って捨てた。

 今こそ、チームの浮上を握る先発陣が気持ちのこもった熱い投球を見せ、ファンと首脳陣の心をもう一度つかむときなのかもしれない。

文=清家茂樹(せいけ・しげき)
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