“トレード期限”も終わり、プレーオフ(PO)を狙うチームは臨戦態勢がほぼ整った。ロイヤルズ、ブルージェイズなどが大物獲得に成功した一方、ヤンキース、ドジャースなどは比較的地味な補強に終わった。
MLB公式サイトでは、全30チームのPO進出確率を毎日更新している。その時点の勝敗はもちろん、得失点、ロースターの構成、残りのスケジュール(対戦相手の強弱)などを加味して0~100%の数値をはじき出している。
7月31日終了時点で最も高いのはカージナルスの99.7%。次いでロイヤルズが98.4%。さらにアストロズ(92.3%)、ドジャース(92.1%)、ヤンキース(92.1%)が続いている。ナ・リーグはフィリーズなど3チームが0.0%となっているのに対し、ア・リーグは最も低いアスレチックスが0.6%と首の皮一枚つながっている。
それでは日本人所属チームのPO進出確率は現時点でどの程度だろうか。最も高いのは田中将大が所属するヤンキースの92.1%だ。7月1日の時点では53%だったが、1か月でPO進出確率が飛躍的に上がった。
ヤンキースに次ぐのは和田毅が所属するカブスで54.6%だ。ナ・リーグ中地区はカージナルスとパイレーツが抜きんでており、カブスの地区優勝は絶望的だが、ワイルドカードでの進出を目指す。しかし和田自身は6月に故障者リスト入りし、7月上旬からマイナーで調整しながらメジャー再昇格をうかがっている。
カブスに続くのが、プライス、トゥロウィツキといった大物獲得に成功したブルージェイズ(54.2%)だ。川崎宗則は土曜日に再昇格し、メジャー挑戦4年目にして初のプレーオフを狙える好位置につけている。
さらに僅差で続くのが青木宣親所属のジャイアンツ(53.2%)だ。チームは最近5年間で3度ワールドシリーズを制覇しており、今季もドジャースとデッドヒートを繰り広げている。両チームの実際のゲーム差は1.5と僅かだが、戦力差なども加味されPO進出確率はドジャースが92.1%、ジャイアンツが53.2%と差がついている。ただし最後まで競る展開になればジャイアンツの経験がものをいうだろう。
それ以外の日本人選手はというと、岩隈久志所属のマリナーズが2.6%、上原浩治・田沢純一所属のレッドソックスが0.7%、イチロー所属のマーリンズは0.2%とほぼ絶望的になっている。プレーオフまで残り2カ月弱でPO争いに大きな変化は起こるのか。おととしの上原・田沢、昨季の青木(当時ロイヤルズ)に続き、3年連続で日本人選手がワールドシリーズの舞台に立つことができるのか。今後も要注目だ。