コラム

DeNAが本当に強くなるために必要なこととは…

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球団初のクライマックスシリーズ進出を目指すDeNAの中畑清監督©BASEBALLKING
中畑清,

好不調の波が激しすぎる今季のDeNA


 優勝した1998年以来17年ぶりに首位で前半戦を折り返したDeNA。2位とは0.5ゲーム差ながら優勝への期待も膨らんでいたが、後半戦のスタートでいきなりの4連敗。最初の10試合を2勝8敗とつまずいた。現在は、優勝争いどころか3位巨人と4.5ゲーム差の5位とクライマックスシリーズ進出圏内からも落ちてしまった。

 後半戦の戦いに限らず、今季のDeNAは連勝を重ねたかと思えば、6月にはプロ野球史上初めてとなる「首位からの12連敗」を記録するなど、好不調の波が激しい今季のDeNA。その大きな理由として、センターラインが固定できないことがある。

 キャッチャー、セカンド、ショートの二遊間、センターによるセンターラインは野球の要である。多くの試合でセンターラインに確固たる選手を起用したいと、どのチームの首脳陣も考えているはずだ。

 外野手の中でもとくに広い守備範囲を求められるセンター。セカンドとショートは内野の中で打球を処理する機会が多く、併殺などで息の合ったプレーも必要となる。キャッチャーは「グラウンド内の監督」「扇の要」とも言われ、野村克也氏は「優勝チームには名捕手あり」といった言葉を残しているほどだ。

 80年代から90年代前半にかけ黄金時代を築いた西武は、センター秋山幸二、ショート田辺徳雄、セカンド辻発彦、キャッチャー伊東勤とセンターラインが強固だった。近いところでは、落合博満監督(現GM)の下、8年間で4度のリーグ優勝に輝いた中日には、捕手に谷繁元信がいて、荒木雅博と井端弘和の「アライバコンビ」が二遊間で鉄壁の守備を見せた。一時代を築いたチームは、センターラインが安定していることを歴史が証明している。

 今季のDeNAのセンターライン事情をポジション別に見ていく。

 キャッチャーは、開幕からしばらくは黒羽根利規が主にスタメンマスクをかぶっていたが、5月上旬からは高城俊人と嶺井博希の併用が基本となっている。これまで黒羽根が40試合、高城が38試合、嶺井が31試合でスタメン起用されている。捕手に関する数字で気になるのは暴投の多さだ。チーム全体の捕逸はセ・リーグで3番目に少ない6だが、暴投は58でリーグ最多。DeNAに次いで多い阪神でも33暴投ということからも、DeNAがいかに多いかがわかる。暴投は表面的には投手のミスではあるが、同時に捕手の責任でもある。そこから失点に結びつくことを思えば、捕球技術を上げていくしか方法はない。

DeNA 石川雄洋

センターラインの強化が進めば必ず強いチームになれる


 セカンドは石川雄洋が81試合でスタメン出場しているが、現在はケガで登録抹消中。プロ3年目の宮崎敏郎が21試合でスタメン出場し打率.293と結果を残しているが、石川からレギュラーを奪うほどのインパクトは残せていない。

 ショートは、ルーキーの倉本寿彦が49試合で出場しているのを筆頭に、セ・リーグ最多となる計5人の選手をスタメンで起用している。ショートでスタメン出場した選手の打率は.219でリーグワースト。ショートは守りも大切とはいえ、打率が2割台前半では厳しい。

 センターは高卒2年目の関根大気がチーム最多の31試合でスタメン出場。計7人の選手をスタメンで起用しているが、合計の打率はリーグ4位の.244。
 
 長年課題とされてきた投手陣は、防御率こそリーグワーストの3.78だが、井納翔一が先発の柱となりつつあり、クローザーには山崎康晃が素晴らしい成績を残している。数年前までの投手陣を思えば、だいぶ改善されたことは間違いないだろう。

 打線は、梶谷隆幸と筒香嘉智が日本を代表する選手にまで成長し、太い幹がある。そこでセンターラインをある程度固定できれば、リーグでも屈指の陣容となる。今季こそセンターラインは固定されていない。ただ一方で、多くの選手が経験を積んでいることを思えば、来季以降大きくチームは花開くかもしれない。

 果たして、どんな選手がチャンスを掴み、レギュラーに定着していくのだろうか。残り試合にかける選手たちに期待したい。

文=京都純典(みやこ・すみのり)
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