激しい優勝争いの真っただ中にいるヤンキース。ライバル・ブルージェイズが休養日だった現地時間24日は地元ニューヨークに西地区首位を走る強敵アストロズを迎えた。勝てば首位のブルージェイズに並ぶ重要な一戦を9回サヨナラ(1-0)で勝利を収めた。
先発の一角C.C.サバシアが故障者リスト入りとなり、“今季絶望”の可能性も報じられ、エース田中将大への負担も大きくなりそうだ。前回登板ではインディアンス相手に6回4失点で敗戦投手となり、期待に応えられなかった。1-2と1点ビハインドで迎えた6回表には今季19本目となる手痛い本塁打を浴びている。
昨季は136回3分の1を投げ、被本塁打は15だったのが、今季は114回3分の2ですでに19本を数える。9イニングあたりに換算すれば約1.49本。昨季の0.99の1.5倍に膨れ上がっていることになる。
被本塁打数増加の要因の一つは狭いヤンキースタジアムにある。19本中15本は本拠地で打たれたもの。9イニングあたりだと2.00。敵地での0.76を大きく上回る。被本塁打率は防御率にも直結しており、ホームでは4.14、ロードでは2.85と、防御率にも大きな違いが出ている。
そしてもう一つ注目したいのが、試合中盤以降の投球内容だ。MLB.comでは投手の「75球目まで」と「76球目以降」の成績を掲載しているが、田中の場合75球目までは被打率.215、防御率3.24、そして被本塁打は9本(9イニングあたり=0.91)と安定している。しかし76球目以降は順番に.253、4.91、10本(3.51)と数字は大きく跳ね上がる。
先発投手にとって75球といえば、5回を投げ終わる当たり。つまり5~6回の試合後半に差し掛かるあたりからが田中にとってのデンジャラスピリオドとなる。右肘に爆弾を抱える田中にとって、球威が落ちかけたところで一発をくらうという場面が多いことを物語っている。ただし19本の本塁打の内訳はソロが14本、2ランが5本。複数の走者を背負った場面で一本も打たれていないところはさすがだ。
レギュラーシーズンも残り約1カ月。3年ぶりの地区優勝に向けて田中の活躍は必須だ。首脳陣の配慮もあり、中5日以上空けての登板が多いが、1試合あたりの投球数は100球を超えることがほとんどだ。「76球目以降」に投げる約30球でどれだけ結果を残せるか。田中の投球数にも要注目だ。