3人そろっての1億円の大台突破間違いなし!
2015年シーズンも終わり、プロ野球ファンの話題も一変。なかでも、契約更改のニュースには例年以上に注目が集まるだろう。3人の選手がそろって球史に残る大記録を打ち立てたからだ――。その3人とは、言うまでもなく、山田哲人(ヤクルト)、柳田悠岐(ソフトバンク)、秋山翔吾(西武)だ。
山田と柳田は松井稼頭央(当時西武)以来13年ぶりのトリプルスリーを達成。しかも、山田は本塁打王、盗塁王に最高出塁率、柳田は首位打者と最高出塁率の個人タイトルも獲得。秋山はマートン(阪神)以来5年ぶりの200安打の大台を、216安打というプロ野球新記録というおまけというには大き過ぎる大記録で突破した。
彼らの今季推定年俸は山田が8000万円、柳田が9000万円、秋山が6200万円だ。山田、柳田は昨オフの契約更改ですでに年俸大幅増を経験している。とはいえ、3人そろって今季プロ5年目という若い選手。1億円の大台には乗っておらず、今季の活躍により、年俸の大幅アップが見込まれる。
ここで、3人の昨季と今季の成績をあらためて振り返ってみよう。
山田哲人
14年 143試 率.324 本29 点89 盗15
15年 143試 率.329 本38 点100 盗34
柳田悠岐
14年 144試 率.317 本15 点70 盗33
15年 138試 率.363 本34 点99 盗32
秋山翔吾
14年 131試 率.259 本4 点47 盗3
15年 143試 率.359 本14 点55 盗17
トリプルスリー&リーグ優勝のふたりを秋山が年俸アップ率で上回るか?
今季を通して、球界の注目を集め続けた3人だが、年俸争いでは果たして……。柳田の場合、チームが日本一連覇を果たしたということが年俸アップに大きく寄与することは間違いない。ましてや、そのチームを常に牽引し続けたのだ。さらに、所属球団が年俸総額トップクラスのソフトバンクということも大きい。3人のなかでは今オフの更改でも金額自体はトップになると見ていい。
一方、秋山はチームが4位だったということが痛い。柳田と激しい首位打者争いを繰り広げながら力尽きたシーズンと同様、年俸でもおそらく柳田には及ばないだろう。ただ、秋山の場合、柳田、山田と比較すると今季年俸が低い。アップ率であれば、ふたりを上回る可能性もある。
山田の場合、リーグ優勝への貢献もさることながら、日本シリーズでの3連発など、貧打が目立ったセ・リーグのなかで残したインパクトが図抜けている。3つの個人タイトル獲得もあり、チームの若き顔となった山田にも破格の高額年俸が提示されるだろう。
いずれにせよ、今後も3人が残したような記録がそろって生まれるシーズンはそうそうない。年俸の高騰化を問題視する声もあるが、野球少年たちが夢見る世界のヒーローたちには、活躍に見合った報酬を得てほしいものである。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)