松田はメジャーで活躍できるのか...
日本とは桁違いの大型契約が続くメジャーのFA市場。そこに名乗りを挙げたのが、ソフトバンクを2年連続日本一に導いた松田宣浩だ。
今シーズンは自己最高となる35本塁打を放ち、94打点を記録。打者としてピークを迎えたまさに絶好のタイミングでメジャー挑戦となる。
30本塁打以上を記録した翌年にメジャー挑戦を果たすのは、松井秀喜、松井稼頭央、岩村明憲に続き4人目だ。3人の渡米前とメジャー1年目の成績は以下の通り。
・松井秀喜(メジャー挑戦時28歳)
2002年[巨] 140試 率.334 50本 107打点
2003年[ヤ] 163試 率.287 16本 106打点
・松井稼頭央(同28歳)
2003年[西] 140試合 率.305 33本 84打点
2004年[メ] 114試合 率.272 7本 44打点
・岩村明憲(同28歳)
2006年[ヤ] 145試合 率.311 32本 77打点
2007年[レ] 123試合 率.285 7本 34打点
松井秀はチーム打撃に徹して打点は100を超えたが、長打の面で期待に応えたとは言い難い1年目であった。松井稼は遊撃の守備で苦しみ、それが打撃にも影響を及ぼすという結果に。岩村は主に1番打者として起用されたこともあり、長打を捨て出塁にこだわる打撃を見せた。
こうして見ると3人はそれぞれのチーム事情に合わせることには成功したが、その結果日本時代に見せていたパワフルな打撃というのは影を潜めた。
松田が目指すべき道は...
もしも松田のメジャー挑戦が実現するならば、どの道を進むべきなのだろうか。所属チームにもよるだろうが、松井秀のほどのパワーはなく、1番を打つタイプでもない。あえて名前を挙げるとすれば同じホークスから海を渡った井口資仁(現ロッテ)か。
・井口資仁(メジャー挑戦時30歳)
2004年[ダ] 124試合 率.333 24本 89打点
2005年[ホ] 135試合 率.278 15本 71打点
井口もまた、チーム打撃に徹して1年目から世界一を味わうなど活躍した。そんな中で、本塁打の数も先に挙げた3人に比べると激減したわけではない。
というのも、本拠地の福岡ドームがメジャー球場並みの広さであることも幸いしたと考えられる。同じくホークスからメジャーに渡った城島健司も24本→18本と日本時代から大きく減らしたわけではなかった。
今年はホームランテラスの設置によって狭くなったとはいえ、昨年までの広いドームの形状にも合わせた打撃を見せていただけに期待は持てる。また、日本でも以前に比べてツーシーム系のボールを操る投手が増えたことも追い風になるだろう。
メジャーでは主に2番を打った井口ほど器用ではないため、タイプ的には7番あたりを打つことになるだろう。数字的には井口が1年目に残した成績が目安になるのではないだろうか。
すでにパドレスやエンゼルス、ホワイトソックスなどが調査に乗り出したとの報道も出ている。近年日本人内野手はメジャーで苦戦しているが、遊撃や二塁に比べれば負担の軽い三塁手の松田ならその壁を乗り越えてくれるだろう。