コラム

鵜久森、坂口、栗原…復活に賭ける男たちが新天地で躍動

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ヤクルトに新加入した坂口智隆

“未完の大器”鵜久森がブレークなるか?


 2月28日、巨人とのオープン戦でヤクルトの鵜久森淳志が移籍後“第1号本塁打”を放った。

 9回表、代打で登場すると、2年目左腕・戸根千明の真ん中高めの直球を一閃。打球は左中間スタンドへと吸い込まれた。

 前日の巨人戦でも8回に代打で登場すると、内海哲也から放った打球は二塁手・中井大介のグラブを弾きセンターへ。ボールが転々とする間に二塁を陥れる積極走塁を見せ、はつらつとしたプレーで首脳陣へのアピールを続けている。

 11年間在籍した日本ハムでは、外野の厚い選手層に阻まれ続けた右の大砲。ファームでは活躍しても一軍のレギュラーに定着することはなく、昨オフに戦力外通告を受けた。

 拾ってくれたヤクルトへ恩返しをするため、野球人生を賭けた勝負のシーズンに挑む。


“らしさ”を取り戻した坂口、栗原


 鵜久森のほかのも、不本意ながら古巣を去ることとなった選手たちが、新天地で躍動している。

 鵜久森と同じくヤクルトへと移籍した元オリックスの坂口智隆は、13日のDeNAとの初実戦でいきなり猛打賞。代名詞の巧みなバットコントロールで左へ右へセンターへと打ち分けた。

 21日、阪神とのオープン戦では岩崎優から2打数2安打。左打者ながら左腕を苦にしない“らしい”打撃を披露し、真中満監督も「(センターのレギュラー争いから)一歩抜けている」と絶賛した。

 華麗な守備と巧打でブレイクを果たすも、2012年に右肩を負傷して以降は打率.230前後に落ち込み、出場機会が激減。昨シーズンは一軍定着後最少となる36試合の出場に終わった。

 ヤクルトは昨年、リーグ優勝こそ果たしながらも外野陣の手薄感は否めなかった。それだけに、坂口が復活を遂げれば、昨年のチャンピオンチームはさらに大きな力を手にすることとなる。


 もう一人、楽天に入団した栗原健太は、21日の中日とのオープン戦初戦で左前安打を放つと、26日のソフトバンクとの練習試合では「4番・指名打者」でフル出場し、強烈な左翼線二塁打を含むマルチ安打を記録。広島時代には“コング”の愛称で慕われたパワフルな打撃を、主砲の座で見せつけた。

 かつては持ち前のパワーを発揮し、2006年から4年連続で20本塁打以上を記録。2008年以降、阪神へFA移籍した4番・新井貴浩の穴を見事に埋めてみせた。

 しかし、2012年に右肘を故障すると、翌2013年には腰の張り、鼻骨骨折、右大腿部故障など、キャンプ中から多くのケガに見舞われる不運もあり、本来の打撃は鳴りを潜めた。

 一軍出場は2013年5月を最後に一度もない。出身地は山形県天童市。生まれ故郷、東北のチームで以前の勇姿を取り戻そうと奮闘中だ。

 古巣のファンも彼らの復活、ブレイクを待っている。


文=清家茂樹(せいけ・しげき)
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