昨季の二の舞は御免…オフに体を絞って今季に臨んだメヒア
西武のメヒアがすごい。
来日初年度の2014年、途中加入ながら34本塁打を放ち、同僚の中村剛也と共に本塁打王のタイトルを獲得。同一シーズンに同一球団から複数の本塁打王が出たのは、2リーグ制後では初めてのことだった。
しかし、オフシーズンに体重が増えたことや、他球団から研究された影響もあってか、昨季は打率も.235まで落ち込み、本塁打も27本に留まった。
そして迎えた今季、メヒアが体を絞ってきたのは一目瞭然だった。顔つきも精悍さが増し、2014年の打撃を取り戻す可能性を十分に感じさた。
その取り組みは、結果となって表れる。5月10日終了時点で、パ・リーグ4位の打率.316を記録するだけでなく、14本塁打、36打点はいずれもリーグ断トツだ。
圧巻だったのが4月24日の楽天戦で。第2打席でソロアーチを放つと、第3打席には2ラン、第4打席には満塁弾と来日初の1試合3本塁打。チームの全打点を叩き出す派手な大活躍を見せた。
初球打ちの成績は驚異の「打率.667」&「5本塁打」
外国人選手が打席に立つとき、よく聞くのが「初球に注意」、「ファーストストライクの取り方に注意」というもの。このメヒアも、初球の入り方に注意する必要がある外国人選手のひとりだ。
不振だった昨季でも、初球の打率は.339、ファーストストライク時の打率は.317と3割以上をマーク。バッテリーが安易にストライクを取りにいったときの一発が多い、典型的な外国人選手と言えるメヒアだが、今季は初球やファーストストライク時に驚異的な成績を残している。
初球時は21打数14安打の5本塁打。打率にして.667を記録。さらに、初球を含むファーストストライク時も37打数19安打、6本塁打で打率.514と高い成績だ。
今季放った14本塁打中、実に11本が2球目以内に打ったものだが、一方で今年は2ストライク時でも3本塁打を放っている。2ストライク時の打率は.171と当然下がるのだが、一発の恐怖があるメヒアに対しては相手投手も安心できない。
これらの数字を見る限り、相手バッテリーとしては「いかに浅いカウントでストライクをとっていくか」というところに徹底的に注意を払う必要があるだろう。
一昨年、本塁打王を分け合った中村はここまで打率こそ.280だが、本塁打はまだ4本と本領を発揮していない。チームの投手陣に不安があるなか、中村が完全復調するまでメヒアにかかる期待は大きい。
“初球時のメヒア”に、これからも大いに注目である。
文=京都純典(みやこ・すみのり)