4番・サードが減少?
一昔前、野球少年の憧れと言えば「4番サード」だった時代がある。
昭和の球界では長嶋茂雄、掛布雅之、中畑清、原辰徳と錚々たるメンツが活躍していた。だが、平成に入りこの「4番サード」が死語になりつつある。クリーンナップは助っ人選手たちがズラリと並び、パ・リーグでは15日の試合で6球団中5球団の4番打者がDHの選手だった。4番サードは死んだのか? 今回は各球団の三塁手の打撃事情を見てみよう。
<セ・リーグ>
今季成績:39試合 打率.299 3本塁打 8打点 OPS.784
高橋周平(中日)
今季成績:28試合 打率.276 3本塁打13打点 OPS.798
※現在、右手有鉤骨の骨折で故障離脱中
安部友裕(広島)
今季成績:25試合 打率.313 1本塁打 8打点 OPS.779
陽川尚将(阪神)
今季成績:16試合 打率.205 1本塁打 2打点 OPS.507
川端慎吾(ヤクルト)
今季成績:42試合 打率.300 0本塁打 9打点 OPS.713
白崎浩之(DeNA)
今季成績:25試合 打率.195 2本塁打 3打点 OPS.546
<パ・リーグ>
松田宣浩(ソフトバンク)
今季成績:37試合 打率.289 6本塁打 24打点 OPS.807
中村奨吾(ロッテ)
今季成績:40試合 打率.240 3本塁打 16打点 OPS.683
レアード(日本ハム)
今季成績:40試合 打率.267 10本塁打 20打点 OPS.841
今江敏晃(楽天)
今季成績:24試合 打率.266 0本塁打 8打点 OPS.621
小谷野栄一(オリックス)
今季成績:32試合 打率.243 4本塁打 7打点 OPS.622
中村剛也(西武)
今季成績:36試合 打率.273 6本塁打 14打点 OPS.852
やはり実績面ではおかわり君こと中村剛也(西武)が頭ひとつ抜けているが、今季ポジション別スタメンを見てみると三塁手20、指名打者15と約半数ずつの併用となっている。先週末の日本ハム3連戦でも初戦のみ「4番サード」で土・日は「4番DH」での出場だった。
開幕からレギュラー三塁手としてフル出場し続けているのは村田修一(巨人)、川端慎吾(ヤクルト)、松田宣浩(ソフトバンク)、レアード(日本ハム)の4名。村田は横浜時代は4番に君臨し本塁打王も獲得したが、35歳になった今は「7番サード」として巧打と堅守でチームを支える日々。二軍では19歳の岡本和真が活躍しているが、巨人のホットコーナーは男村田が死守している。
注目はやはり中日の5年目を迎えたドラ1スラッガー高橋周平だろう。今季は開幕スタメンを勝ち取り、4月5日のDeNA戦からは「3番サード」として定着するも、4月末に右手有鉤骨の骨折で離脱。レギュラーとしてこれからという時の怪我だっただけに悔やまれるが、次代の「4番サード」筆頭候補はこの男だろう。
果たして、昭和のブランド「4番サード」が平成の球界で復活するのか? 高橋の今後の成長に注目である。
文=中溝康隆(なかみぞ・やすたか)