コラム 2016.06.21. 18:00

「静」の由伸、「動」の金本…折り返し地点を迎えた2人の新人監督

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話題を集めた新指揮官、巨人の高橋監督(左)と阪神・金本監督(右) (C)KYODO NEWS IMAGES

高橋・金本両監督の“前半戦通知簿”


 大混戦から一転、交流戦を経て広島に一歩抜け出た感があるセ・リーグのペナント争い。各球団はいずれも70試合前後を戦い、シーズンも折り返し地点を迎えた。

 ここでは開幕前から大きな話題を集めた2人の新人監督、巨人の高橋由伸監督と阪神・金本知憲監督の“前半戦”を振り返りたい。


 作戦・戦略面では、「静」の巨人・高橋監督と「動」の阪神・金本監督という側面が見える。

 たとえば両チームの盗塁企図数で比較すると、原辰徳監督が率いた昨季の巨人はリーグ最多の131回。ほぼ1試合に1回は盗塁を仕掛けていた計算になるが、今季ここまでは2試合に1回以下となる31回のみ。その代わり犠打数はリーグ最多の53回と多く、高橋監督は“堅実なタイプ”だということがわかる。

 一方の金本監督は、昨季リーグ最多だった犠打が今季はリーグ最少の30回まで減少。かと言って盗塁の割合が劇的に増えたわけではないが、昨季までの和田監督時代に比べると積極的な作戦を取ることが多いといえる。


金本監督の“超変革オーダー”


 また、金本監督に「動」の印象が強いのは、特にスタメンのバリエーションの多さが理由の一つだろう。

 開幕から数週間はスタメンをほぼ固定していたが、新助っ人のヘイグが二軍に降格になったころから打線の組み換えが頻繁になった。しかし、若手野手を積極的に起用していく点は評価したい。

 対する高橋監督はというと、スタメンの入れ替えは金本監督ほど多くない。特にクリーンアップは、今月に入って坂本・長野・阿部の3人を固定。ここでも「静」の高橋監督の一面が垣間見える。

 両チームともに“得点力”という面が大きな課題となっており、後半戦に両指揮官がどういう手に打って出るのかは興味深い。


監督の重要な仕事「継投」


 こちらも指揮官の重要な役割のひとつ「継投」に関しては、ともに野手出身ということもあってか不慣れな場面も多々見られた。

 金本監督は、開幕直後から守護神のマテオを“3イニング起用”するなど、その継投を疑問視する声も少なくなかった。しかし、ホールド数はリーグ最多。かつ逆転負けの数自体もリーグ最少であり、合格点は与えていいだろう。

 一方、高橋監督は沢村という信頼の置ける守護神がいながらも、逆転負けの数はリーグ最多となっている。こちらも対照的で興味深いポイントだ。


未来へ「人を残す」という役割も...


 監督の手腕とは、瞬時に評価される試合中の「作戦・戦略面」だけで計れるものでもない。数年後に評価が下る「育成」の部分も重要だ。

 高橋監督は、開幕から捕手に小林誠司を一貫して起用してきた。打率1割台に苦しむなど、攻撃面ではプラスになっているとは言い難いが、捕手という重要なポジションの将来を見据えた我慢強さは評価していいだろう。

 そんな高橋監督以上に若手の起用に積極的なのが金本監督だ。

 25歳以下の野手で今季50回以上打席に立った選手というと、巨人ではルーキーの重信慎之介だけ。一方、阪神は高山俊や原口文仁、北條史也など、計8人が50打席以上を記録しているのだ。


 若手野手の起用法に関しては、両監督のプロ入り後の経験が関係しているのかもしれない。

 1年目からレギュラーで活躍した高橋監督と、プロ入り後2年間は一軍に定着できなかった金本監督…。我慢して起用されながら一流打者へと成長した自身の経験があるからこそ、金本監督は若手を積極的に起用していくのではないだろうか。

 「静」と「動」という2人の特徴が見えた前半戦を終え、後半戦はどのように臨むのか。そして「目の前の勝利」と「将来に向けた育成」というジレンマの中でどういうタクトを振るうのか。後半戦も2人の采配に要注目だ。


文=八木遊(やぎ・ゆう)

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