日本ハムの大逆転優勝はあるか!? 高梨裕稔の右腕に期待
ソフトバンクと日本ハムの直接対決は残り11試合
交流戦の終盤から続いた連勝は、7月12日のオリックス戦でストップしたものの(15連勝)、7月は13勝2敗0分と日本ハムが絶好調だ。首位ソフトバンクに最大11.5ゲーム差をつけられていたが、4.5ゲーム差まで迫ってきた。大型連勝をしてもまだ追いつけないソフトバンクの強さが際立つが、ソフトバンクから見ればゲーム差以上に迫られている印象があるのではないだろうか。
ソフトバンクと日本ハムの直接対決は残り11試合。
残りの直接対決の日程は以下の通りだ。
7月29日(金)~31日(日) 札幌ドーム
8月5日(金)~7日(日) ヤフオクドーム
8月19日(金)~21日(日) 札幌ドーム
9月21日(水)、22日(木) ヤフオクドーム
注目したいのは残り11試合のうち9試合が金曜日から日曜日の3連戦で組まれている点だ。先発ローテーションを6人で回すならば、7月29日からの3連戦、8月5日からの3連戦、同19日からの3連戦がすべて同じ先発投手になる。ゲーム差を一気に縮められる直接対決だけに、俗に“表の3枚”とも言われる先発ローテーションの中心を担う3人が登板する可能性は高い。
では、日本ハムの表の3枚は誰か――。二刀流エース大谷翔平とパ・リーグ防御率トップの1.61を誇る有原航平は確定だ。そして残りのひとりは、高梨裕稔が入るのではないだろうか。
ブレーキの効いた落差のあるカーブを武器に躍進
2013年ドラフト4位で山梨学院大から日本ハムに入団した高梨は、昨季一軍デビューを果たした。2試合に登板し0勝1敗、防御率3.68。昨季のレギュラーシーズン最終戦、4回1失点の好リリーフを見せ、今季に期待を抱かせた。
今季は開幕からリリーフとして結果を残し、6月8日の広島戦でシーズン初先発。5回2失点ながら、プロ入り後初めて先発勝利を挙げた。7月1日のソフトバンク戦では、7回を5安打、11奪三振の快投で無失点に抑えている。7月25日現在、27試合に登板し5勝2敗、防御率1.76。先発での成績は5試合3勝0敗、防御率1.71。1イニングあたりに許した走者の数を表すWHIPは0.98という数字を残している。
高梨の武器は、140キロ中盤の速球とタテに大きく割れるカーブだ。ブレーキの効いたドロンと変化するカーブは、球界でも屈指のキレを誇る。7月1日のソフトバンク戦でも、強力打線をそのカーブで翻弄した。経験のなさは否めないが、逆にそれがプラスに作用することもある。だからこそ、これからの高梨の登板には期待が高まるのである。
大谷と有原はある程度の計算が立つ。そこに高梨がこれまでのようなピッチングを続けることができれば、強力な表3枚となるはずだ。大逆転優勝に向け、若き右腕が王者ソフトバンクに対してどんなピッチングをするだろうか。
文=京都純典(みやこ・すみのり)