少しでもいい流れでCSへ 重要な2強との残り試合
今季のプロ野球もいよいよ大詰めを迎えつつある。
例年、「混パ」と呼ばれ、最終盤までCS出場チームが確定しないパ・リーグだが、今季は3位日本ハムと4位ロッテのゲーム差は7.5(9月7日終了時点)にまで広がっており、すでにCS出場を確定させたソフトバンクのほか、オリックスと日本ハムのCS出場もほぼ間違いないだろう。
となると、今後気になるのは、CSを突破するチームはどこかということ。昨季の最下位からの逆襲を狙う日本ハムは、2位オリックスに9ゲーム差をつけられ、ある意味で3位を“独走”中。ここから2位、まして首位を狙うのはさすがに厳しく、CSファーストステージからの出場が予想される。
ならば、少しでもいい状態でCSに臨みたいところだが、日本ハムの球団別対戦成績は対ソフトバンクが7勝13敗、対オリックスが9勝11敗。2強は上位球団であり、対戦成績で劣るのは当然といえば当然だ。しかし、開幕直後の日本ハムは両者と互角以上に渡り合っていたのだ。
それが、交流戦後の7月以降に限って見れば、ソフトバンクには4勝8敗、オリックスには実に1勝7敗と大きく負け越している。どちらと相まみえるとしても、いい状態で臨めるとは言いがたい状況なのだ。
若きイケメン切り込み隊長 西川が粘りを見せられるか?
2強との残り試合はともに4試合。今週は両者との対戦カードが組まれている。日本ハムとしてはCS突入前に少しでもいい流れを呼び込んでおきたいところ。両者との対戦防御率とチーム防御率には大きな開きはない。ならば、ゲームを左右するのは打線である。そのキーマンとして、西川遥輝の名を挙げておく。
5月途中から先頭打者に定着し、8月は月間16盗塁の球団記録に迫る15盗塁を記録するなど、イケメン切り込み隊長としてチームの主力に定着した西川。その西川が苦手としているのが2強である。そもそも打率.259と先頭打者としてはまだ物足りない数字の西川だが、2強との対戦成績では打率1割台、出塁率は.250を下回る。特に対ソフトバンクの打率は.138にまで落ち込んでいるのだ。
さまざまな要因が絡む野球というスポーツにおいて西川ひとりに責任を押し付けるわけではないが、先頭打者がこの成績では得点力の低下は免れなと言えよう。事実、8月8〜10日のソフトバンク戦では3試合ともスタメンを外された。しかし、その荒療治もむなしく、スタメン復帰した8月26〜28日のソフトバンク戦の結果は12打数2安打4三振と首脳陣を納得させるものではない。
西川の成績で気になるのが三振数である。ここまで、アンドリュー・ジョーンズ(楽天)、エルネスト・メヒア(西武)に次ぐリーグワースト3位の113三振を記録。ちなみに、同じ先頭打者で西川を打席数で上回る中村晃(ソフトバンク)は52三振である。
もちろん、そんなことは本人が百も承知のはず。リーグトップの盗塁数を誇る足という武器を生かすため、ひいてはCS突破を勝ち取るためにも、2強との対戦で粘りの打撃を見せられるか。今週の西川の打席に注目である。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)