独立リーグ・ルートインBCリーグの福島ホープスは19日、ヤクルトを戦力外となっていた左腕投手・江村将也の入団を発表した。

　江村は1987年生まれの28歳。2012年のドラフト4位指名でヤクルトへと入団した。ロッテに所属する捕手・江村直也は弟にあたる。

　ルーキーイヤーの2013年は31試合に登板し、3勝負けなし、4ホールドを記録。1年目から中継ぎ左腕として存在感を発揮したが、翌年は登板機会が減って19試合に留まり、昨年は左ヒジの故障の影響で一軍での登板が叶わず。そのまま戦力外通告を受けた。

　江村に関して、最もファンの印象に残っているシーンというと、プロ初勝利を挙げた4月23日の広島戦での“ヒトコマ”であろう。

　代打で登場した前田智徳に対して強気の内角攻めを見せた江村であったが、左手に死球を当ててしまう。前田の怒号を引き金に広島ベンチから選手が飛び出してくると、今では珍しい両軍入り乱れての乱闘騒ぎに。広島の古沢憲司投手コーチが退場処分となり、警告試合が宣告。試合は重苦しい雰囲気となった。

　それでも、そんな雰囲気の中で続投した江村はフレッド・ルイスから三振を奪い、ピンチを切り抜けると、その裏に味方が勝ち越し。江村にプロ初勝利がついたという試合であった。

　ヒジの故障も完治し、現役続行をめざしていた江村は昨年11月にパドレスが日本で行ったテストにも参加。話題にこそ上がったが、所属先は決まらないままでいた。

　新天地に決まった福島で、蘇ることはできるのか。元ヤクルトの岩村明憲監督の下で再起を期す。