21日から開幕する春季非公式試合、通称・オープン戦。開幕直前の3月22日まで1ヶ月間に渡って設けられる実戦の機会で、各チームがシーズン開幕に向けた準備を整える。
若手選手たちにとっては開幕一軍へ生き残りをかけた言わば最終試験の場であり、主力を張る選手たちにとってもこれまでの調整具合を確かめる貴重な実戦の場であるオープン戦。ところが過去を振り返ってみると、特に野手においてはこの時期に飛ばし過ぎるとシーズンに良からぬ影響をあたえるのではないか、という説が浮上する。
ますは、2014年のオープン戦における打撃成績上位選手たちのオープン戦とシーズンの成績を比較してみる。
1位:井上晴哉(ロ) 率.435 本2 点7
→シーズン成績:36試 率.211 本2 点7
2位:本多雄一(ソ) 率.426 本0 点7
→シーズン成績:94試 率.291 本0 点21
3位:長野久義(巨) 率.382 本0 点7
→シーズン成績:130試 率.297 本13 点62
4位:今宮健太(ソ) 率.379 本1 点16
→シーズン成績:144試 率.240 本3 点42
5位:筒香嘉智(De) 率.360 本0 点3
→シーズン成績:114試 率.300 本22 点77
昨年のオープン戦で打ちまくった“アジャ”ことロッテの井上は、シーズンに入るとプロの壁にぶつかり、打率.211と苦しいシーズンに。打撃開眼が期待されたソフトバンクの今宮も、結局は打撃主要3部門すべてにおいて前年を下回った。
では、逆に昨年のオープン戦の成績で下位に沈んだ選手たちはどうだったのか。振り返ってみると...
坂口智隆(オ) 率.151
川端慎吾(ヤ) 率.160
上本博紀(神) 率.171
中田翔(日) 率.182 → パ打点王
山崎憲晴(De) 率.184
坂本勇人(巨) 率.189
T-岡田(オ) 率.194
菊池涼介(広) 率.196
マートン(神) 率.204 → セ首位打者
エルドレッド(広) 率.211 → セ本塁打王
驚くことに、打率.338でセ・リーグ首位打者に輝いた阪神のマット・マートンをはじめ、下位10人の中にタイトルホルダーが3人も名を連ねている。その他にもリーグ2位の打率.325をマークした広島の菊池涼介や、自身初となる規定到達での打率3割超えを達成したヤクルト・川端慎吾など、シーズンでは打って変わって活躍した選手が多い。
もちろん活躍して悪いことはないが、あまりエンジンの掛かりが早過ぎると、開幕前に息切れしてしまうという可能性は否めない。また、活躍しないほうが良いと言い切ってしまうこともできないが、贔屓チームの選手がオープン戦で不振に苦しんだとしても、そこまで悲観的に捉える必要もなさそうだ。
1位 畠山和洋(ヤクルト)
オープン:18試 率.393 本3 点12
シーズン:99試 率.219 本12 点51
2位 ブラッド・エルドレッド(広島)
オープン:17試 率.353 本4 点10
シーズン:66試 率.247 本13 点32
3位 エステバン・ヘルマン(当時西武)
オープン: 16試 率.348 本0 点8
シーズン:144試 率.319 本4 点55
4位 ブライアン・ラヘア(当時ソフトバンク)
オープン: 20試 率.345 本2 点7
シーズン:111試 率.230 本16 点57
5位 牧田明久(楽天)
オープン:16試 率.333 本1 点14
シーズン:27試 率.222 本2 点7
<2012年>
1位 松山竜平(広島)
オープン:19試 率.403 本1 点8
シーズン:48試 率.204 本0 点7
2位 根元俊一(ロッテ)
オープン: 16試 率.390 本0 点9
シーズン:133試 率.279 本9 点41
3位 エステバン・ヘルマン(当時西武)
オープン: 15試 率.385 本0 点3
シーズン:144試 率.270 本3 点60
4位 聖沢諒(楽天)
オープン: 11試 率.378 本1 点4
シーズン:138試 率.270 本4 点45
5位 中田翔(日本ハム)
オープン: 14試 率.368 本2 点13
シーズン:144試 率.239 本24 点77
若手選手たちにとっては開幕一軍へ生き残りをかけた言わば最終試験の場であり、主力を張る選手たちにとってもこれまでの調整具合を確かめる貴重な実戦の場であるオープン戦。ところが過去を振り返ってみると、特に野手においてはこの時期に飛ばし過ぎるとシーズンに良からぬ影響をあたえるのではないか、という説が浮上する。
ますは、2014年のオープン戦における打撃成績上位選手たちのオープン戦とシーズンの成績を比較してみる。
1位:井上晴哉(ロ) 率.435 本2 点7
2位:本多雄一(ソ) 率.426 本0 点7
→シーズン成績:94試 率.291 本0 点21
3位:長野久義(巨) 率.382 本0 点7
→シーズン成績:130試 率.297 本13 点62
4位:今宮健太(ソ) 率.379 本1 点16
→シーズン成績:144試 率.240 本3 点42
5位:筒香嘉智(De) 率.360 本0 点3
→シーズン成績:114試 率.300 本22 点77
昨年のオープン戦で打ちまくった“アジャ”ことロッテの井上は、シーズンに入るとプロの壁にぶつかり、打率.211と苦しいシーズンに。打撃開眼が期待されたソフトバンクの今宮も、結局は打撃主要3部門すべてにおいて前年を下回った。
では、逆に昨年のオープン戦の成績で下位に沈んだ選手たちはどうだったのか。振り返ってみると...
坂口智隆(オ) 率.151
川端慎吾(ヤ) 率.160
上本博紀(神) 率.171
中田翔(日) 率.182 → パ打点王
山崎憲晴(De) 率.184
坂本勇人(巨) 率.189
T-岡田(オ) 率.194
菊池涼介(広) 率.196
マートン(神) 率.204 → セ首位打者
エルドレッド(広) 率.211 → セ本塁打王
驚くことに、打率.338でセ・リーグ首位打者に輝いた阪神のマット・マートンをはじめ、下位10人の中にタイトルホルダーが3人も名を連ねている。その他にもリーグ2位の打率.325をマークした広島の菊池涼介や、自身初となる規定到達での打率3割超えを達成したヤクルト・川端慎吾など、シーズンでは打って変わって活躍した選手が多い。
もちろん活躍して悪いことはないが、あまりエンジンの掛かりが早過ぎると、開幕前に息切れしてしまうという可能性は否めない。また、活躍しないほうが良いと言い切ってしまうこともできないが、贔屓チームの選手がオープン戦で不振に苦しんだとしても、そこまで悲観的に捉える必要もなさそうだ。
過去のオープン戦・打撃成績上位者
<2013年>1位 畠山和洋(ヤクルト)
オープン:18試 率.393 本3 点12
シーズン:99試 率.219 本12 点51
2位 ブラッド・エルドレッド(広島)
オープン:17試 率.353 本4 点10
シーズン:66試 率.247 本13 点32
3位 エステバン・ヘルマン(当時西武)
オープン: 16試 率.348 本0 点8
シーズン:144試 率.319 本4 点55
4位 ブライアン・ラヘア(当時ソフトバンク)
オープン: 20試 率.345 本2 点7
シーズン:111試 率.230 本16 点57
5位 牧田明久(楽天)
オープン:16試 率.333 本1 点14
シーズン:27試 率.222 本2 点7
<2012年>
1位 松山竜平(広島)
オープン:19試 率.403 本1 点8
シーズン:48試 率.204 本0 点7
2位 根元俊一(ロッテ)
オープン: 16試 率.390 本0 点9
シーズン:133試 率.279 本9 点41
3位 エステバン・ヘルマン(当時西武)
オープン: 15試 率.385 本0 点3
シーズン:144試 率.270 本3 点60
4位 聖沢諒(楽天)
オープン: 11試 率.378 本1 点4
シーズン:138試 率.270 本4 点45
5位 中田翔(日本ハム)
オープン: 14試 率.368 本2 点13
シーズン:144試 率.239 本24 点77