ニュース 2015.11.01. 11:30

生え抜き生き残りは1人だけ…07年大社ドラ1の今

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戦力外から這い上がり、メジャーデビューを果たした村田透も07年の大社ドラ1[Getty Images]
 日本シリーズが終了した翌日、10月30日にソフトバンクの大場翔太が金銭トレードで中日へ移籍することが発表された。

 大場といえば、大学No.1右腕として大きな注目を集めた右腕。最後の高校/大学・社会人分離ドラフトとなった2007年のドラフト会議では、6球団が1巡目で競合した末にソフトバンクへと進んだ。

 滑り出しもこれ以上ないほど好調で、デビュー戦となった楽天戦でプロ初登板ながら無四球完封勝利を挙げるというパ・リーグ史上初の快挙を成し遂げると、4月のロッテ戦では16奪三振を奪う快投で2度目の無四球完封勝利を記録。伝説に残るような鮮烈デビューを果たした。

 ところが、徐々にプロの壁に苦しみ始めると、シーズン途中で二軍落ちを経験。結局3勝5敗、防御率5.42という成績でシーズンを終了。その後は2011年に7勝を挙げたのがキャリア最高で、その後は右肩の故障などにも苦しみ、2015年にはついに一軍登板なしでシーズンを終えていた。

 2007年に最も高い評価を受けていた大学生が、8年後に金銭トレードで移籍することになるとは当時だれもが思いもしなかったことであろう。ところが、2007年の大学・社会人ドラフトの面々を見てみると、衝撃的な事実に気がつく。以下が当時のドラフト1位で指名された選手たち。

● オリックス
小林賢司(投手/青山学院大)
[通算] 2試 0勝0敗 防0.00
→ 2012年に現役引退

● ヤクルト
加藤幹典(投手/慶応大)
[通算] 23試 1勝3敗 防9.13
→ 2012年に現役引退

● 西武
平野将光(投手/JR東日本東北)
[通算] 60試 6勝13敗1セーブ 防5.13
→ 2015年に戦力外通告

● 広島
篠田純平(投手/日本大)
[通算] 99試 20勝26敗 防4.24
→ 2015年に現役引退

● 楽天
長谷部康平(投手/愛知工業大)
[通算] 108試 11勝19敗3セーブ 防5.32

● 横浜(現DeNA)
小林太志(投手/JR東日本)
[通算] 128試 13勝23敗1セーブ 防4.47
→ 2014年に戦力外通告

● ソフトバンク
大場翔太(投手/東洋大)
[通算] 85試 15勝21敗 防4.39
→ 2015年オフに中日へ移籍

● 阪神
白仁田寛和(投手/福岡大)
[通算] 49試 3勝2敗 防3.23
→ 2014年オフにオリックスへ移籍

● ロッテ
服部泰卓(投手/トヨタ自動車)
[通算] 73試 2勝1敗 防5.81
→ 2015年に戦力外通告

● 中日
山内壮馬(投手/名城大)
[通算] 56試 17勝15敗 防3.02
→ 2015年に戦力外通告

● 日本ハム
多田野数人(投手/3A・サクラメント)
[通算] 80試 18勝20敗 防4.43
→ 2014年に戦力外通告

● 巨人
村田透(投手/大阪体育大)
※NPBで一軍登板なし
→ 2010年に戦力外通告

 ご覧のように、あのドラフトから8年がたった今、指名された球団で生え抜きとしてプレーしているのは楽天の長谷部康平ただ一人となってしまったのだ。

 それでも、2010年に巨人を戦力外となった村田透はアメリカへと渡り、厳しい下積みを経て昨年念願のメジャーデビューを果たした。日本ハムの多田野数人も戦力外となった後にBCリーグへと舞台を移し、選手兼コーチとして活躍している。

 今回移籍することになった大場も、環境を変えることでもう一度かつての輝きを取り戻すことができるだろうか。6球団競合右腕の新天地での活躍に期待したい。
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