守備の栄誉
10日、「第44回 三井ゴールデン・グラブ賞」の受賞者が発表された。
プロ野球シーズンが終了してから一段落したころに毎年発表されている賞であるが、果たして誰が、どんな基準で選んでいる賞なのか。意外と知らない人も多いことだろう。
「三井ゴールデン・グラブ賞」は、もともと1972年に「ダイヤモンドクラブ賞」という名前で創設されたもの。卓越した守備によりチームに貢献した選手を表彰するという目的で、1986年からは現在の名称である「三井ゴールデン・グラブ賞」に改称された。
受賞選手は記者による投票で決定。新聞、ラジオ、テレビ、通信社のプロ野球担当記者として5年以上現場で取材の経験を持つ記者にのみ投票権が与えられ、今年はパ・リーグで226人、セ・リーグで257人に投票権が付与された。
選手にはある一定の基準が与えられ、それをクリアすれば誰もが投票を受ける資格を持つ。基準は以下の通り。
【投手】
規定投球回(143回)以上の登板、またはチーム試合数の1/3(47試合)以上の登板。
【捕手】
チーム試合数の1/2(71試合)以上に捕手として出場。
【内野手】
チーム試合数の1/2(71試合)以上で1ポジションの守備に就く。
【外野手】
チーム試合数の1/2(71試合)以上に外野手として出場。
この数字はかんたんなラインではなく、たとえば今年日本一連覇を達成したソフトバンクでも、一塁手と二塁手の基準到達者はいなかった。
ちなみに、受賞者には副賞として賞金50万円と、今や名物となっている金ピカのグラブ型トロフィーが贈呈される。
実はこのトロフィー、各選手が愛用しているグラブの型をしっかりと取り、金色の皮革を用いて作られる本物のグローブなのだ。今シーズン限りで現役を引退してしまったが、この賞を7度獲得した経験を持つ名手・井端弘和は、このトロフィーでキャッチボールをしたこともあると言う。
2015年度の「三井ゴールデン・グラブ賞」受賞選手18名は以下の通り。
▼ 投手
<パ>
涌井秀章(ロッテ) ☆5年ぶり3回目
<セ>
前田健太(広島) ☆4年連続5回目
▼ 捕手
<パ>
炭谷銀仁朗(西武) ☆3年ぶり2回目
<セ>
中村悠平(ヤクルト) ☆初受賞
▼ 一塁手
<パ>
中田翔(日本ハム) ☆初受賞
<セ>
畠山和洋(ヤクルト) ☆3年ぶり2回目
▼ 二塁手
<パ>
ルイス・クルーズ(ロッテ) ☆初受賞
<セ>
菊池涼介(広島) ☆3年連続3回目
▼ 三塁手
<パ>
松田宣浩(ソフトバンク) ☆3年連続4回目
<セ>
川端慎吾(ヤクルト) ☆初受賞
▼ 遊撃手
<パ>
今宮健太(ソフトバンク) ☆3年連続3回目
<セ>
鳥谷敬(阪神) ☆3年連続4回目
▼ 外野手
<パ>
柳田悠岐(ソフトバンク) ☆2年連続2回目
秋山翔吾(西武) ☆2年ぶり2回目
清田育宏(ロッテ) ☆初受賞
<セ>
福留孝介(阪神) ☆9年ぶり5回目
丸佳浩(広島) ☆3年連続3回目
大島洋平(中日) ☆2年連続4回目