オープン戦と新助っ人の関係
3月に入り、開幕へ向けた動きが加速する野球界。オープン戦の平日開催も始まり、2日の“ハマスタ開幕戦”となったDeNA-ヤクルト戦は、13時開始にもかかわらず1万5000人を超える観衆が訪れた。
「オープン戦とペナントレースは別物」とは言うものの、良い成績を残すに越したことはない。当然、各球団の首脳陣やファンは、オープン戦の結果が気になるもの。多額の金銭を支払って獲得する助っ人外国人であれば、なおさらのことだろう。
日本でやっていけるのかどうか…。新助っ人たちにとって最初の関門になるのがオープン戦。これまで結果を残してきた新外国人選手たちは、オープン戦からバリバリ活躍を見せていたのだろうか?
そこで、2010年以降の5年間で何らかのタイトルを獲得してきた新外国人たちの、オープン戦での成績を振り返ってみた。
【来日1年目にタイトルを獲得した外国人のオープン戦とペナントの成績】
● 2010年
<最多安打>
マートン(阪神)
10年成績(オープン):試14 率.354 本2 点3
10年成績(ペナント):試144 率.349 本17 点91
● 2011年
<本塁打王>
バレンティン(ヤクルト)
11年成績(オープン):試12 率.205 本3 打6
11年成績(ペナント):試140 率.228 本31 点76
● 2012年
<打点王>
李大浩(オリックス)
12年成績(オープン):試12 率.250 本0 点3
12年成績(ペナント):試144 率.286 本24 点91
● 2013年
<本塁打王>
アブレイユ(日本ハム)
13年成績(オープン):試13 率.310 本3 点10
13年成績(ペナント):試138 率.284 本31 点95
● 2014年
<セーブ王>
呉昇桓(阪神)
14年成績(オープン):試6 0勝0敗1S 防1.50
14年成績(ペナント):試64 2勝4敗39S 防1.76
<打点王>
ゴメス(阪神)
14年成績(オープン):試4 率.143 本0 点0
14年成績(ペナント):試143 率.283 本26 点109
<本塁打王>
メヒア(西武)
14年成績(オープン):なし(※シーズン途中の入団)
14年成績(ペナント):試106 率.290 本34 点73
結果を見てみると、2010年に最多安打のタイトルを獲得したマートンは、オープン戦からシェアな打撃を見せて.354という高打率を残し、本塁打王に輝いたバレンティン(2011年)とアブレイユ(2013年)は、それぞれ3本の本塁打を放つなど、オープン戦から長打力を見せつけた。
その一方で、打点王のタイトルを獲得した李大浩とゴメスはオープン戦で結果を残せず苦戦したものの、シーズンが始まると柔軟なバッティングで勝負強さを発揮し、結果を残している。
今年の注目選手は…
こうして振り返ってみると、タイトルホルダーとなった選手たちはそれぞれの持ち味を発揮し、オープン戦からその片鱗を見せていることが多い。前述のゴメスにしても、妻の出産などで合流が遅れたこともオープン戦の結果に影響したと考えられる。
2日に京セラドーム大阪で行われたオリックス-ロッテ戦では、「1番・中堅」で先発したオリックスの新外国人ボグセビックが、ロッテ石川の投じた4球目のストレートを左翼席ポール際に放り込むと、続く第2打席では冷静に四球を選ぶなど、長打力だけでなく選球眼でもアピール。1番で起用した首脳陣の期待に応えてみせた。
また、巨人の新外国人ギャレットは、ここまでの6試合で打率.412、1本塁打、6打点と結果を残し、新4番候補として活躍している。その他にも、拳銃の実弾を所持していたとして、開幕からの4週間を欠場することになったロッテのナバーロも、2月に行われたオープン戦の2試合で2本塁打を放ち、打率.800という結果を残していた。
オープン戦も開幕したばかり、各球団も序盤の対戦結果を踏まえて様々な対応を考えていくはずだ。ここから開幕に向け、大きな期待を寄せられている新外国人選手たちの動向にも注目していきたい。