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“ライパチ”は過去の話…重要度が増す「右翼手」というポジション

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マーリンズでプレーするイチロー

「右翼手」のイメージといえば...


 小さい頃、草野球をやった覚えのある人は多いだろう。今でこそ、いわゆる空き地のようなものが少なくなり、草野球すら満足にできない環境となりつつあるが、昔はあちこちで少年たちが野球を楽しんだ。

 そして、たくさんの少年が集まり、学校のグラウンドで野球をやることになる。うまい少年は、長嶋や王に憧れ、「俺はサードだ」「ショートは俺だよ」「ピッチャーは譲れないぜ」「ファースト、ファースト」などとアピールしていたものだが、「ライトは俺」とアピールする少年は一人もいなかった。野球の下手な少年は、“ライパチ”と呼ばれた時代。文字通り、ライトで打順が8番の意味だ。

 ところが、最近の野球はどうか。「右翼手」の重要度は増し、その評価も高まってきている。

 もっとも、プロ野球では昔から「右翼手=下手な選手」だったわけではないのだが、外野の華であるセンターに比べれば、やや守備力が落ちる選手が務めていたような気もする。それが一変したのが、イチローの出現だろう。

 もとより、右翼手が蔑まれていた時代は、今ほど左打者が多くなく、強打者は右打者に多かったため、強い打球はレフト方向に飛ぶことが多かった。

 ところが、左打者が多くなった現代では、ライトへの強い打球が増えてきた。そして、イチローはライトから矢のような送球、いわゆる“レーザービーム”でランナーを刺すプレーを何度も披露。メジャーでも、当たり前のようにプレーしていた。そんな姿に少年たちは憧れたのだ。今では「ライトは俺だ、俺だ」とアピールする少年が増えたというから、驚くしかない。


時代は右翼手!?不動のレギュラーが多い


 さて、その右翼手。いまのプロ野球12球団を見ても、強打者で守備もうまい選手が揃う。

 昨季の各球団のライトといえば、清田育宏(ロッテ)、福留孝介(阪神)、雄平(ヤクルト)、松井稼頭央(楽天)、糸井嘉男(オリックス)などが務めた。松井は15年に内野手から外野手へと登録を変更。本格的に右翼に専念したが、シーズン途中から守備の評価が高まった。

 福留に糸井、清田だけでなく、平田良介(中日)に亀井善行(巨人)など...。たしかに強打者が揃っている。また、強肩選手が多いのも特長で、福留は内野手から、雄平は投手から右翼手へと転向している。

 時代は右翼手。前述のとおり、イチローの出現が大きい。メジャー移籍前のイチローは、オリックスの右翼手として活躍。7年連続首位打者、シーズン初の200安打だけではない。自慢の強肩で走者の進塁を何度も防いだ。

 そういえばイチローも、高校時代は投手だった。右翼手の価値を高めたイチローには敬意を表したい。そして12球団の右翼手たちのダイナミックなプレーを、今季も期待したい。
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