井口は今季初スタメンで逆転3ラン
昨年は山本昌、中嶋聡、斎藤隆、和田一浩など、時代を彩った選手たちが続々と現役引退を表明。気づけば1973年生まれの三浦大輔(DeNA)が球界最年長選手となった。
山田哲人(ヤクルト)や大谷翔平(日本ハム)、藤浪晋太郎(阪神)といった若手選手たちが球界を引っ張る存在に成長し、“世代交代”を感じさせられる2015年だったが、各球団の最年長選手もまだまだ若手に負けじと奮闘している。
ロッテのチーム最年長は井口資仁。今季初スタメンとなった4月10日の西武戦で、西武の最年長・バンヘッケンの変化球を泳ぎながらも、レフトスタンド最前列に飛び込む逆転3ランを放った。一塁付近で珍しくガッツポーズも見せたベテランの一振りで、このカードの3タテを阻止した。
ロッテの一塁といえば開幕から井上晴哉が先発出場を続けており、出番は少なくなってきている井口。それでも、「常に準備はしている」と話し、出番が巡ってきたその試合で結果を残すのだから、やはりベテランは頼りになる。今後も大事な場面で存在感を見せてくれることだろう。
また、チーム最年長でありながら、まだまだ中心として活躍する選手もいる。
広島の黒田博樹は、その代表的存在だ。エースの前田健太がドジャースへ移籍し、先発に再転向した大瀬良が右肘の故障で出遅れた。そんな中、黒田は今季初登板となった3月26日のDeNA戦で7回を1失点に抑え、今季初勝利を挙げると、4月2日の巨人戦では9回4安打4奪三振で完封勝利。先発陣のみならず、チームを支える精神的支柱として君臨している。
一方で、二軍での調整を余儀なくされる選手がいるのも事実だ。
日本ハムのチーム最年長は、武田勝と武田久の“W武田”コンビ。ともに2000年代後半はチームに欠かせない存在感を発揮していたが、近年は故障や不調などで二軍暮らしが続く。
武田勝は今季、二軍戦で4試合に登板し、防御率3.38。武田久も6試合に登板して防御率1.50という成績を残している。若手を積極的に起用する日本ハムの中で、もう一度這い上がって花を咲かせるべく、二軍で奮闘を続けている。
長いシーズンはまだまだ始まったばかり。ここぞという場面で必要になってくるのがベテランの“経験”であり、それこそがベテランが持つ“強み”である。
いつか声がかかるのを静かに待っている各球団のベテラン選手たちに注目だ。
【各球団の最年長選手】
※年齢は2016年の満年齢
<ソフトバンク>
最年長=37歳
▼ 五十嵐亮太
守備位置:投手
生年月日:1979年5月28日
今季成績:4試 0勝0敗 防0.00
▼ バーバロ・カニザレス
守備位置:内野手
生年月日:1979年11月21日
今季成績:8試 率.192 本0 点2
<日本ハム>
最年長=38歳
▼ 武田勝
守備位置:投手
生年月日:1978年7月10日
今季成績:4試 0勝0敗 防3.38 ※
▼ 武田久
守備位置:投手
生年月日:1978年10月14日
今季成績:6試 0勝0敗 防1.50 ※
<ロッテ>
最年長=42歳
▼ 井口資仁
守備位置:内野手
生年月日:1974年12月4日
今季成績:5試 率.500 本1 点5
<西武>
最年長=37歳
▼ アンディ・バンヘッケン
守備位置:投手
生年月日:1979年7月31日
今季成績:3試 0勝2敗 防4.76
<オリックス>
最年長=36歳
▼ 小谷野栄一
守備位置:内野手
生年月日:1980年10月10日
今季成績:10試 率.231 本0 点0
▼ トニ・ブランコ
守備位置:内野手
生年月日:1980年11月10日
今季成績:6試 率.316 本1 点2 ※
<楽天>
最年長=42歳
▼ ケニー・レイ
守備位置:投手
生年月日:1974年11月27日
今季成績:4試 3勝0敗 防1.27 ※
<ヤクルト>
最年長=36歳
▼ 石川雅規
守備位置:投手
生年月日:1980年1月22日
今季成績:3試 1勝2敗 防6.60
<巨人>
最年長=40歳
▼ 相川亮二
守備位置:捕手
生年月日:1976年7月11日
今季成績:6試 率.417 本0 点0 ※
<阪神>
最年長=40歳
▼ 福原忍
守備位置:投手
生年月日:1976年12月28日
今季成績:5試 0勝0敗 防0.00
<広島>
最年長=41歳
▼ 黒田博樹
守備位置:投手
生年月日:1975年2月10日
今季成績:3試 2勝0敗 防1.35
<中日>
最年長=42歳
▼ 岩瀬仁紀
生年月日:1974年11月10日
今季成績:1試 0勝0敗 防0.00
<DeNA>
最年長=43歳
▼ 三浦大輔
守備位置:投手
生年月日:73年12月25日
今季成績:4試 0勝1敗 防3.79 ※
※は二軍成績